...」「はい、色艶が悪いから、控所の茶屋で憩(やす)むように、と皆さんが、そう言って下さいましたから、好(い)い都合に、点燈頃(あかりのつきごろ)の混雑紛れに出ましたけれど、宅の車では悪うございますから、途中で辻待のを雇いますと、気が着きませんでしたが、それが貴下(あなた)、片々蠣目(かきめ)のようで、その可恐(こわ)らしい目で、時々振返っては、あの、幌(ほろ)の中を覗きましてね、私はどんなに気味が悪うござんしてしょう...
泉鏡花 「婦系図」
...乾枯(ひか)らびた色艶のわるい指頭(ゆびさき)を Fig. 1 に近づけられて扨(さ)て仰有(おっしゃ)った...
海野十三 「キド効果」
...何時もねっとりと濡れている様な色艶の美しい肌が...
海野十三 「白蛇の死」
...今一人の女は瘠せこけて顏の色艶は無いが...
高濱虚子 「俳諧師」
...胃病でも患ってるらしい色艶だった...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...曇った色艶(つや)をし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...こんどは肉がおちて色艶がなく...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...皮膚に色艶がなくてだだ白かった...
豊島与志雄 「林檎」
...額や頬の皮膚は色艶の褪せただだ白さを示していた...
豊島与志雄 「林檎」
...女将さんは顔の色艶もよく...
豊島与志雄 「霊感」
...ひどく色艶がわるく...
豊島与志雄 「別れの辞」
...ポンパドール夫人の顔の色艶(いろつや)のいいことや...
堀口九萬一 「東西ほくろ考」
...その色艶のあまり好くない...
牧野信一 「鏡地獄」
...凡そ反對らしい蠱媚に滿ちた豐かな色艶の肉體を想像した...
牧野信一 「痴日」
...その片割れである周子の色艶までに憤懣を起したりした...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...身が大きく厚いところへもってきて実は色艶がいい...
矢田津世子 「茶粥の記」
...何かそれは復讐めいた色艶にさえ矢代は感じ...
横光利一 「旅愁」
...緑の葉は涙にぬれたようなしおらしい色艶を増して来る...
和辻哲郎 「樹の根」
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