...あたかも刺(とげ)に守られて色づく薔薇(ばら)の蕾(つぼみ)のようだった...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「幽霊花婿」
...やうやく色づくのだと云はれるイタヤもみぢも...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...霜のない島では樹の葉の色づくのを待たずに秋氣が既に人の脊に立つて居るのです...
江南文三 「佐渡が島から」
...紫蓼――といつたやうなところで……」隠遁者が色づくしの美い名前を数へ立てると...
薄田泣菫 「春菜」
......
高浜虚子 「俳句への道」
...柿も色づく...
外村繁 「澪標」
...夏は梅の実熟し冬は蜜柑の色づく彼の小田原の古駅はわたしには一生の中最も平和幸福なる記憶を残すばかりである...
永井荷風 「花火」
...腰から下にぱっと色づく...
夏目漱石 「草枕」
...崖は秋に入(い)っても別に色づく様子もない...
夏目漱石 「門」
...霜に色づく時の眺めが思ひやられた...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...早く色づくのと同様...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...貧乏臭い鉢植の楓林(ふうりん)仕立が色づくと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ああ そのひとについて思ふことはそのひとの見たる幻想の國をかんずることはどんなにさびしい生活の日暮れを色づくことぞいま疲れてながく孤獨の椅子に眠るときわたしの家の窓にも月かげさし月は花やかに空にのぼつてゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...無間地獄(むげんぢごく)のそこはかとなく景色づくり...
樋口一葉 「にごりえ」
...冬は色づく蜜柑畑と...
正岡容 「わが寄席青春録」
...色づくがまま捧げて 神に供える...
宮本百合子 「五月の空」
...春までの命も知らず雪のうちに色づく梅を今日かざしてんというのであって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その麦やがて色づく時は...
柳田国男 「雪国の春」
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