...艫を海岸のほうに向けかえてだんだんと汀(みぎわ)に近寄って行く...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...艫(とも)の間(ま)の神龕(かみだな)の前に...
泉鏡花 「印度更紗」
...艫(とも)から餌箱を胴の間に廻しながら...
梅崎春生 「狂い凧」
...すぐさま艫へとんでいって...
海野十三 「爆薬の花籠」
...艫(とも)の縄がぷつりと切れて...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...艫に立つた一人が力かぎりに櫓を押してゐた...
辰野隆 「旧友の死」
...秀夫は昨夜(ゆうべ)客のいた処はここであったなと思いながら艫(とも)を背にしてすわった...
田中貢太郎 「牡蠣船」
...712 XIII 612.718 艫の突出部―飾となす(ix 241)...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...余等は導(みちび)かれて紅葉館の旗(はた)を艫(とも)に立てた小舟に乗った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...口から泡を吹いて、醉眼(すゐがん)をビードロのやうに据(す)ゑたまゝ、野猪(のじし)のやうに、艫(とも)から舳(みよし)へ、舳から艫へと、亂れ騷ぐ人間を掻きわけて飛び廻ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...艫(とも)の方で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...艫の間は釜場(かまば)になっている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...艫ノ間と四つの間に別れ...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...艫舵(ろかじ)なき船の大海に乗出せしが如く茫洋(ぼうよう)として寄る可きなく唯あきれにあきれて居たる迄なり云々以下の一段に至りては...
福沢諭吉 「蘭学事始再版序」
...久慈と矢代はオールを持って東野が艫に坐り...
横光利一 「旅愁」
...舳艫(じくろ)をならべて遡航(そこう)しつつあるとのこと...
吉川英治 「三国志」
...ほかの沢山な旅客とはべつに、艫の一部を囲い、従者の長田真樹(おさだのまき)と牛浜忠太の二人を相手に、弁当をひらいて、小酌を交わしている...
吉川英治 「平の将門」
...先客のために屋根の中に入り得ない私たちは艫の荷物の上に辛うじて腰掛けたが...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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