...漕(こ)いで入る船の艪櫂(ろかい)の音も...
泉鏡花 「悪獣篇」
...と艪(ろ)づかを刻んで...
泉鏡花 「海異記」
...艪を漕いでいるのは...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...樓下を漕ぎゆく艪の音に夢やぶれ...
大町桂月 「鹿島詣」
...纜(ともづな)を解き放した女は艫に立って艪柄(ろづか)を握った...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...女は艪を持ったなりに海の中へ落ちた...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...舳を東へ向けて艪を立てた...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...皆手に/\艪をにぎりなほして...
土田耕平 「海坊主の話」
...ジュと音がして艪(ろ)の足で掻き分けられた浪(なみ)の上を揺(ゆ)られながら漾(ただよ)っていった...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...鳴子引淀の河原の雨催(もよ)ひ荻の真白き穂はそよぐいそげ河原の川舟に菅(すげ)の小笠の鳴子引河原鶸(ひは)鳴く淀川の小笠かづぎし花娘河原蓬(よもぎ)の枯れし葉にかへる小舟の艪(ろ)が響く唄へ 花妻花娘淀の川舟日が暮れる菅の小笠に三日月の眉をかくせる鳴子引...
野口雨情 「別後」
...もう艪を押す支度をして居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...トボケた顔と、暢気(のんき)な調子でカモフラージュして、この大事な問を八方へ持掛けましたが、結局、「誰も気がつかなかったそうですよ、船頭は舫っている時でも気が張っているから、艪(ろ)や、櫂(かじ)の音を聞き逃すはずはないと言いますよ」「フーム」水際(みぎわ)に立って、折から引汐(ひきしお)の川底ばかり睨(にら)んでいた平次も、諦(あきら)めて立ち上がります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...八丁艪(ろ)の白帆が通ろうと...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...船夫が艪を押している...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...・中山善之訳(2013)『老人と海』(柏艪舎)...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...」嘉吉は得意さうに艪(ろ)をあやつりながら云ふ...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
......
三好達治 「測量船」
...扁舟を湖心に泛べ手 艪を放ち箕坐して しばしもの思ふ――願くば かくてあれかし わが詩(うた)の境...
三好達治 「扁舟」
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