...そこが現世(げんせ)と幽界(ゆうかい)との相違(そうい)なのだから何(なん)とも致方(いたしかた)がございませぬ...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...こればかりは現世(げんせ)の生活(せいかつ)の方(ほう)がよほど結構(けっこう)なように感(かん)じられて致方(いたしかた)がございませぬ...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...『これも因縁(いんねん)だから致方(いたしかた)がございませぬ……...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...手古奈の身がさうした事になつた以上は今は如何とも致方のないことゝ思うた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...寿命で死ぬは致方ないにしても...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...女子はただ男子を慰藉(いしゃ)するためにのみこの世に存在するものと認められていたから致方(いたしかた)ない...
大隈重信 「婦人問題解決の急務」
...その上に天を積み上げても致方がないから...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...かく成行く上は致方がないから城を枕に討死する...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...父はこの上は致方ないと...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...実は小生去冬(きょとう)風労(ふうろう)に悩みそれより滅切(めっき)り年を取り万事甚(はなはだ)懶(ものう)く去年彩牋堂竣成(しゅんせい)祝宴の折御話有之候薗八節(そのはちぶし)新曲の文章も今以てそのまゝ筆つくること能(あた)はず折角の御厚意無に致(いたし)候不才の罪御詫(おわび)の致方(いたしかた)も無御座(ござなく)候...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...円き頭ばかりは何とも致方無御座(いたしかたござなく)候間...
永井荷風 「榎物語」
...皮か葉の一部を見るような傾向に走りやすかったのは致方(いたしかた)ないことであった...
中谷宇吉郎 「簪を挿した蛇」
...併し致方ないもので...
野口雨情 「小川芋銭先生と私」
...雨の音でも聴いてゐるより致方もない...
北條民雄 「書けない原稿」
...汗を流してゐようがどうしようが唯ぼんやり眺めてゐるよりなんとも致方がないのであるから――...
北條民雄 「続癩院記録」
...と書くよりどうにも致方はないのだ...
北條民雄 「独語」
...これは気の毒だがまず致方(いたしかた)ないとしても...
牧逸馬 「舞馬」
...「私は大名の為に俳諧(はいかい)をよむのは御免だ」「――――」嵐雪もそう言われては致方がないので...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
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