...致命的なものでない限り...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...そうしてずるずると斜面をころがりながら湖水のみぎわの葦(あし)の中へ飛び込んではじめてその致命的な狂奔を停止した...
寺田寅彦 「柿の種」
...しかし妻に致命的な凌辱を与えるようで...
外村繁 「澪標」
...この国が致命的な困難に際会しようとも...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...今――肝臓に致命的な傷害を受けてから始めて発見されたのだ...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...同じく致命的なものであつたにしても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少なくとも致命的な手を負わせたことでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それは致命的な欠点だったのだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...致命的な一言は言っちまった」彼はじっと学生を見つめた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...致命的な事故が起ったに相違ないというのである...
牧逸馬 「沈黙の水平線」
...その生産物の販路に困難が存するということほど耕作の改良に致命的な妨げはなく...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...美の致命的な接吻のもとに絶え入るとすれば...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...聖ロカの医者にはそういう致命的な問題がちっ共みえていなかったのです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...致命的な疎漏(そろう)がある事を考え得なかったのだ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...こう二人にとっては、越前守が、寝食をわすれてやっている江戸火消しの創立や、橋梁(きょうりょう)交通の改善や、風紀問題などの市政改善のことよりも、もっともっと、越前守自身にとっての、致命的な宿題に、ここ一月余りは、身も痩せるような、蔭の苦心をしているのである...
吉川英治 「大岡越前」
...致命的な困難をもつ大きな理由の一つである...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...致命的な欠陥である...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...文化段階の相違は実に致命的なものである...
和辻哲郎 「鎖国」
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