...日光の重圧に 化石の痛苦味ひつゝある若者らにも母親の乳房まさぐる幼年の至純なる淫猥の皮膚感覚をとり戻し劫初なる淵(わだ)の面(おも)より汲み取れるほの黒き祈り心をしたゝらす……おんみ 天鵞絨の黒衣せる夜(よる)...
富永太郎 「夜の讃歌」
...この至純な問いをつづけることを怠り...
中井正一 「新しい神話を追い求めつつ」
...お前の至純な靈が發散する...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...文壇の人では秋田雨雀(あきたうじゃく)氏が貞奴心酔党の一人で、その当時早稲田(わせだ)の学生であった紅顔の美少年秋田は、それはそれは、熱烈至純な、貞奴讃美党であった...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...――既にして私は再び明朗至純なる文学青年としての心懐をとり戻してゐた折からであつたから...
牧野信一 「熱海線私語」
...至純な恋の心がすつかりひねくれて了つた後で――つい近頃延子(島田)を想ふようになつたのであるが...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...少くとも鳥渡でも別れてゐる間は至純な恋心だけに浸り得るのであるから...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...鏡の顔こそ臆病な至純な自分其ものである...
牧野信一 「白明」
...尚斯くの如き靜寂至純なる藝術境を把持して...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...最高にして至純なる目的である...
三好十郎 「俳優への手紙」
...よき作には至純な...
柳宗悦 「工藝の道」
...色調において至純な植物染料に勝った場合はほとんどない...
柳宗悦 「工藝の道」
...至純な形、二、三の模様、それも素朴な手法...
柳宗悦 「雑器の美」
...至純な形、二、三の模様、それも素朴な手法...
柳宗悦 「民藝四十年」
...よき作には至純な...
柳宗悦 「民藝四十年」
...これほど至純なる資料はじつは多くない...
柳田国男 「山の人生」
...これは道のために熱中する至純な心を裏から言ったものであるが...
和辻哲郎 「孔子」
...まことに至純な美しさで...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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