...文学の通俗性(乃至純粋性)の問題では...
戸坂潤 「思想としての文学」
...日光の重圧に 化石の痛苦味ひつゝある若者らにも母親の乳房まさぐる幼年の至純なる淫猥の皮膚感覚をとり戻し劫初なる淵(わだ)の面(おも)より汲み取れるほの黒き祈り心をしたゝらす……おんみ 天鵞絨の黒衣せる夜(よる)...
富永太郎 「夜の讃歌」
...最高の祭壇と真実にたいする至純な熱情とを捨てなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それは何処までも至純だった...
豊島与志雄 「反抗」
...至純で具体的で人間的であるに違いない...
中井正一 「新しい神話を追い求めつつ」
...自らに至純になることでもある...
中井正一 「新しい神話を追い求めつつ」
...その中に籠められた愛の至純さを私はよく知つてゐる...
南部修太郎 「疑惑」
...かつてシューベルトが最高至純の域にまで押上げたドイツのリードを...
野村胡堂 「楽聖物語」
...至純の心にのみ宿る純情の美しさが...
萩原朔太郎 「田端に居た頃」
...かつて至純の動機以外の何物によっても行動せることなき人物たるを確言するの義務を痛感する者である」...
服部之総 「撥陵遠征隊」
...少くとも鳥渡でも別れてゐる間は至純な恋心だけに浸り得るのであるから...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...鏡の顔こそ臆病な至純な自分其ものである...
牧野信一 「白明」
...實に先生の描き出す作中の人々の持つ人間至純の感情に他ならず候...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...至純な愛が発露した時...
宮本百合子 「偶感一語」
...至純な形、二、三の模様、それも素朴な手法...
柳宗悦 「雑器の美」
...而して其英雄は最大至純の者ならざるべからず...
山路愛山 「英雄論」
...しかも我が梅津只圓翁の至純至誠の謙徳は...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...これは道のために熱中する至純な心を裏から言ったものであるが...
和辻哲郎 「孔子」
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