...さうして俺の人格は少しづゝ優越感を超越せる至純の境地に向つて動きつゝあることを感ずる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...彼は至純な光で世を照らし闇を散らし...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...人間の行い得る最高至純の懺悔の形式は...
太宰治 「思案の敗北」
...その時心を組み立つるものは至純なるもののみであり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...芸術の至純至高なものはすでに宗教であるとか言うけれども...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...その中に籠められた愛の至純さを私はよく知つてゐる...
南部修太郎 「疑惑」
...すべての至純で善良な人が感じてゐる...
萩原朔太郎 「田端に居た頃」
...文壇の人では秋田雨雀(あきたうじゃく)氏が貞奴心酔党の一人で、その当時早稲田(わせだ)の学生であった紅顔の美少年秋田は、それはそれは、熱烈至純な、貞奴讃美党であった...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...かつて至純の動機以外の何物によっても行動せることなき人物たるを確言するの義務を痛感する者である」...
服部之総 「撥陵遠征隊」
...至純な恋の心がすつかりひねくれて了つた後で――つい近頃延子(島田)を想ふようになつたのであるが...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...鏡の顔こそ臆病な至純な自分其ものである...
牧野信一 「白明」
...しかも至純の感情をたゞ一筋に守り通すことによつて生甲斐を與へられるのである...
水上瀧太郎 「覺書」
...よき作には至純な...
柳宗悦 「工藝の道」
...北鮮のものは概して至純...
柳宗悦 「工藝の道」
...至純な形、二、三の模様、それも素朴な手法...
柳宗悦 「雑器の美」
...または用いる手法も凡てが至純である...
柳宗悦 「民藝四十年」
...而して其英雄は最大至純の者ならざるべからず...
山路愛山 「英雄論」
...しかも我が梅津只圓翁の至純至誠の謙徳は...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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