...さうして俺の人格は少しづゝ優越感を超越せる至純の境地に向つて動きつゝあることを感ずる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...彼は至純な光で世を照らし闇を散らし...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...この至高至純の美しい心根を画布に写しながら...
上村松園 「税所敦子孝養図」
...あらゆる「同情」の中の至純なものである...
寺田寅彦 「柿の種」
...文学の通俗性(乃至純粋性)の問題では...
戸坂潤 「思想としての文学」
...最高の祭壇と真実にたいする至純な熱情とを捨てなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...至純で具体的で人間的であるに違いない...
中井正一 「新しい神話を追い求めつつ」
...自らに至純になることでもある...
中井正一 「新しい神話を追い求めつつ」
...お前の至純な靈が發散する...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...文壇の人では秋田雨雀(あきたうじゃく)氏が貞奴心酔党の一人で、その当時早稲田(わせだ)の学生であった紅顔の美少年秋田は、それはそれは、熱烈至純な、貞奴讃美党であった...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...少くとも鳥渡でも別れてゐる間は至純な恋心だけに浸り得るのであるから...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...この最高至純の目的を手に入れようとしているのだ...
三好十郎 「俳優への手紙」
...色調において至純な植物染料に勝った場合はほとんどない...
柳宗悦 「工藝の道」
...北鮮のものは概して至純...
柳宗悦 「工藝の道」
...又は用ゐる手法も凡てが至純である...
柳宗悦 「雑器の美」
...よき作には至純な...
柳宗悦 「民藝四十年」
...これほど至純なる資料はじつは多くない...
柳田国男 「山の人生」
...而して其英雄は最大至純の者ならざるべからず...
山路愛山 「英雄論」
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