...ところでこの道楽で易など見ているんだと自称するまだ若い卜筮師は...
犬田卯 「錦紗」
...死をも怖れないと自称する人間に『死』以上の恐怖を与えることにあったのだった...
海野十三 「恐しき通夜」
...当時都には「黒手組」と自称する賊徒(ぞくと)の一団が人もなげに跳梁(ちょうりょう)していまして...
江戸川乱歩 「黒手組」
...魔術師と自称する「黒トカゲ」でなくてはできない芸当だ(そういう変装用の服装は...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...その仕事の一翼と自称する大袈裟(おおげさ)な身振りの文学には...
太宰治 「東京八景」
...百貨店と自称するもの一軒...
種田山頭火 「行乞記」
...五橋羊羮(岩国名物と自称する)を一きれ食べる...
種田山頭火 「行乞記」
...頭山満家の名を××して右翼思想団体を自称する××会の幹部某を紹介して...
戸坂潤 「社会時評」
...劇と音楽の決定的様式を実現したと自称するワグナー派の勝利以来...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...女吸取紙を早くかせ恵まれぬものが何処にある?マッチの軸を小さく折つた女自分は道草かしら女は摘草といふも勿体ないといつた俺は女の目的を知らないのださうだ原因なしの涙なんか出さないと自称する女から言はれた飛行機の分裂目的が山の端をとぶ縫物秘密がどんなに織り込まれたかしら女は鋏を畳の上に出したまゝ出て行つた自分に理窟をつけずに只管英雄崇拝女は男より偉いのです...
中原中也 「(女)」
...同時に高等遊民と自称する松本という男からその人生観の一部を聞かされた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...――もし爆発して見給え――爆発するだろう――」迷亭はここに至って迷亭一流と自称する形容詞が思うように出て来ないので俗に云う竜頭蛇尾(りゅうとうだび)の感に多少ひるんで見えたがたちまち「活動切手などは何千万枚あったって粉(こ)な微塵(みじん)になってしまうさ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...芬蘭土(フィンランド)の大公爵と自称する...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...なんと自称するに足る確かさを持っているか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...聯盟は直接の支払を拒否しあらゆる無承認の演奏を禁止する」従って去る三月十五日本紙に掲載した「洋楽放送に福音」の記事中ドクトル・プラーゲに関して「ローマ条約による国際著作権協会の代理人と自称する」云々と記載したのは今日に於いてはそれが誤解と判明するに至ったのである――四 皇族の袖に隠れんとした東京音楽学校無軌道蹂躙戦法の波に乗った者は新聞社や民間の楽壇人だけに止まらず...
山下博章 「「プラーゲ旋風」の話」
...何よりも先に明らかに致して置きたいのは彼女……姫草ユリ子と自称する可憐の一少女が...
夢野久作 「少女地獄」
...世界第一の大ホテルとソビエットの自称するホテルへ行く...
横光利一 「欧洲紀行」
...だから彼の自称する「善相人」というのも...
吉川英治 「源頼朝」
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