...農民が茫然自失するのも当然だと惻隠をふくめた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...せっかくのその修正の成果が意外にも単調一律なよそ行きの美句の退屈なる連鎖になりおおせたことを発見して茫然(ぼうぜん)自失するようなことになりはしないか...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...匆々(そう/\)忙々(ばう/\)と茫然自失する折から人を躍(をど)り立たす様な奏楽(そうがく)の音起つて...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...茫然自失するか顧みて他を云う他はないのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...事実、幕末明治はあれだけの劃時代の時でありながら、その全体を代表する人物を求める日になると、茫然自失する...
中里介山 「大菩薩峠」
...茫々然(ぼうぼうぜん)として自失するの思いです...
中里介山 「大菩薩峠」
...茫然自失するといったような種類の偉人もありましょう」「それは...
中里介山 「大菩薩峠」
...茫然自失する事あるものなり...
夏目漱石 「人生」
...*119卒倒術――自意識はその極限において自失する...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...そして青い川波に眼をおとして茫然自失するような状態をつづけて行った...
室生犀星 「津の国人」
...自失するほど愕いたのも――いや恐怖に襲われたのもあながち無理ではなかった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...僅かに言及するだけで茫然自失するような渦巻く時の奔流の中における彼自身の立場を...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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