...自分勝手に、婿なんどに身上引っかき廻されて、それでこの俺が、黙っていられっかっちんだ...
犬田卯 「米」
...「兄弟が自分勝手に落ちぶれてゆくのを見ているだけさ...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...」「善悪不二」と言つたり「不思善不思悪」と言つたりする仏家の言を自分勝手に解釈して其の頃の自分の心持にぴつたりとはまるやうに思つたのも其の頃であつた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...下絵には便(たよ)らずに自分勝手にやって退(の)けたといっても好い位に大胆に拵えました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...僕は自分勝手に「永遠の女性」と命名している人の影像と手紙と彼女の残して行ってくれた短刀を取り出すことが出来たから...
辻潤 「ふもれすく」
...私は自分勝手に唯一人日和下駄(ひよりげた)を曳(ひ)きずりながら黙って裏町を歩いていればよかったのだ...
永井荷風 「日和下駄」
...先生の家は先生のフラネルの襯衣(シャツ)と先生の帽子――先生はくしゃくしゃになった中折帽(なかおれぼう)に自分勝手に変な鉢巻(はちまき)を巻き付けて被(かむ)っていた事があった...
夏目漱石 「博士問題とマードック先生と余」
...われわれは自分勝手に遣(や)ろう御前(おまえ)は三杯(ばい)食う俺は五杯食う...
夏目漱石 「模倣と独立」
...姉は自分勝手に家出をするやうな人では御座いません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――ときには僕はその文句に「女のひとよ」という一語を自分勝手につけ加えて...
堀辰雄 「「美しかれ、悲しかれ」」
...そのときは半分以上も字の意味が分らないままに自分勝手にそれをハイネ好みの甘美な詩に仕上げてしまつてゐた奴が實はハイネの晩年の...
堀辰雄 「旅の繪」
...私が自分勝手に作り上げている架空の姿に過ぎないのではないか...
堀辰雄 「楡の家」
...自分勝手に面白いことをするツて...
牧野信一 「熱海へ」
...首だけが自分勝手に様々な言葉を発してゐるやうな...
牧野信一 「失題」
...わたしも昔は自分勝手に我儘な選り好みをし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...かえって私の友人の大学教授夫人の方がよっぽど豊かで自分勝手に着物や帯を買ってるのを見て羨ましかったのでした...
柳原白蓮 「私の思い出」
...「お前達はあのような自分勝手な謡を自分勝手に謡うことはならぬ...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...自分勝手にこうして見廻りに歩いているのでございますから...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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