...水の上に臙脂(べに)を流す美しい朝焼けの空...
安西冬衛 「大阪の朝」
...生臙脂(しょうえんじ)にして...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...臙脂(えんじ)を顔に塗っていない音楽にたいしては少しも聴衆がなかった……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...着物の沈んだ臙脂色の縞柄に...
豊島与志雄 「秦の憂愁」
...臙脂と青とのはでな縞お召の着物に...
豊島与志雄 「憑きもの」
...夜臙脂を煮て原稿用罫紙を摺ること四五帖なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...臙脂(えんじ)の入った滝縞のお召に古金襴の丸帯をしめ...
久生十蘭 「予言」
...第一の侍女は小さな臙脂(べに)の器物を...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...今日は青い色を上に臙脂(えんじ)を重ねさせた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...心なしか生絹は冴(さ)えた美しい顔にやや朝寒むの臙膩(えんじ)をひいた頬をてらして...
室生犀星 「荻吹く歌」
...臙脂や眉ずみはずゐぶん古くから婦人の顏を粧つてゐたらしいが...
吉川英治 「折々の記」
...「そうでござりましたか……」と臙脂(えんじ)と匂(にお)い袋(ぶくろ)の強い薫(かお)りが...
吉川英治 「剣難女難」
...臙脂皿(べにざら)を唇(くち)へ摺(す)ると...
吉川英治 「剣難女難」
...青いほどな唇の臙脂(べに)や化粧の翳(かげ)にはそんな容子もうかがわれる...
吉川英治 「私本太平記」
...濃い臙脂(えんじ)や粉黛(ふんたい)もこらしていなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...吉弥臙脂(きちやえんじ)とか...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...臙脂皿(べにざら)や櫛は筥(はこ)のうちにふかく潜(ひそ)められたまま...
吉川英治 「親鸞」
...ラードで伸ばした臙脂(べに)のはいったブリキ缶を手にした...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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