...母の鏡台から臙脂(べに)をとり出して...
上村松園 「あのころ」
...半面は臙脂(えんじ)の異様な色彩となり...
江戸川乱歩 「影男」
...臙脂も褪(さ)め...
津田左右吉 「偶言」
...臙脂色の襟から覗き出してる頸筋に...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...その臙脂(えんじ)や...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...屍体(したい)と後宮の臙脂(えんじ)との匂いが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...仄(ほのか)に臙脂の隈取(くまどり)をなせるは正に佳人の爪紅(つまべに)を施したるに譬ふべし...
永井荷風 「来青花」
...臙脂屋などと肩をならべ堺十人衆の中座にすわり...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...まるで臙脂色の虎――もしそんなものがゐたら――赤い斑の虎のやうだといつたのである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...しかし臙脂虎とは紅をつけた虎の意味で悍婦を斥すと辞書にある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...」「頬臙脂はいや味ね...
正宗白鳥 「新婚旅行」
...妖艶な臙脂(べに)色の夜会服を纏ったスペイン人らしい若い女や...
松本泰 「日蔭の街」
...あわい臙脂(えんじ)がめざめるのを...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...白粉(おしろい)や臙脂(べに)や香油などのにおやかな香に包まれていると...
山本周五郎 「日本婦道記」
...臙脂や眉ずみはずゐぶん古くから婦人の顏を粧つてゐたらしいが...
吉川英治 「折々の記」
...やはり桔梗の桔梗色、寒菊の白黄、臙脂、そのほか、千種の中に、日本人の皮膚と風土によくうつる祕色があるやうに、ぼくらには思はれる...
吉川英治 「折々の記」
...笹色(ささいろ)に光る口臙脂(くちべに)から...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...嘘と見栄(みえ)だけにつつまれた臙脂(えんじ)地獄に...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??