...母は碌々返事もしないで布巾(ふきん)をかけた精進の膳を出してすゝめた...
有島武郎 「お末の死」
...やがてゴロリと膳のわきに寝ころがつた佐太郎に向つて...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...それも膳の上に載っていた...
谷崎潤一郎 「鍵」
...御飯も三膳ずつに極(き)めているの」おひろは痩(や)せた小さい体の割りには...
徳田秋声 「挿話」
...大膳太夫(だいぜんだゆう)は...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...他人の膳に箸をつけて二人分をたべる...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...このうえ無礼を申すと手は見せぬぞ」擬いの神尾主膳は堪(たま)り兼ねて刀を押取(おっと)ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...神尾主膳が机竜之助を隠しているとしか思われません...
中里介山 「大菩薩峠」
...神尾主膳は慌(あわ)ててそれを押え...
中里介山 「大菩薩峠」
...これから殿様のお伴(とも)を願いましては」「左様……」主膳は...
中里介山 「大菩薩峠」
...当然あるべき神尾主膳そのものの感じが...
中里介山 「大菩薩峠」
...御膳(おぜん)などが出て混雑(ごたごた)しているんです」落ちついて聞きさえすれば満更(まんざら)無理もない言訳なのだが...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...膳椀(ぜんわん)も布團も立派に使へるものばかり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼の妻は膳ごしらへなど手伝ひながら...
牧野信一 「裸虫抄」
...大にしては箪笥や棚の類から机、箱、膳の類に渡り、小にしては手廻りものや文房の諸具に至るまで見るべき作がはなはだ多い...
柳宗悦 「工藝の道」
...T「雲霧主膳様からのお迎えで御座る」ヘッと長七と君江顔見合せた...
山中貞雄 「なりひら小僧」
...おまえまだいたのか」「御膳ができました」と云って...
山本周五郎 「あだこ」
...膳部(ぜんぶ)の吸物椀(すいものわん)をとって...
吉川英治 「神州天馬侠」
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