...うすく膚膩(あぶら)をためてゐる――その膝がわかつたのだ...
芥川龍之介 「世之助の話」
...膩(あぶら)ぎつた...
石川啄木 「刑余の叔父」
...袷の袖で狹い額に滲んだ膩汗(あぶらあせ)を拭いた...
石川啄木 「葉書」
...前にゐた幾人の女中の汗やら髮の膩(あぶら)やらが浸みてるけれども...
石川啄木 「天鵞絨」
...白い柔(やわらか)な膩身(あぶらみ)を...
泉鏡花 「海神別荘」
...鼻膩(はなあぶら)を引(ひ)いた――とある...
泉鏡太郎 「怪力」
...垢染みて膩光(あぶらびか)りのする綿の喰出(はみだ)した褞袍(どてら)に纏(くる)まつてゴロリと肱枕をしつゝ...
内田魯庵 「貧書生」
...皮肉(ひにく)の間(あひだ)が膩(あぶら)が乗つて一番うまいものなんです...
薄田泣菫 「茶話」
...むつちりと膩(あぶら)が乗つた妖艶さは...
薄田泣菫 「独楽園」
...――かくして烏瓜は身うちに日に日に膩(あぶら)が乗つて来るにつけて...
薄田泣菫 「独楽園」
...膩の多い女の肉をあさり求めた...
平出修 「瘢痕」
...人の膩(あぶら)を吹き荒す風で手足の皹(ひび)が痛いと云つて...
平出修 「夜烏」
...豫備の客間と寢室は古風な桃花心木(マホガニイ)と臙膩色(えんじいろ)の家具類で...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...膩光(つや)滴(したた)るがごとく...
南方熊楠 「十二支考」
...心なしか生絹は冴(さ)えた美しい顔にやや朝寒むの臙膩(えんじ)をひいた頬をてらして...
室生犀星 「荻吹く歌」
...「迦膩色迦王(かにしかおう)と仏典結集(ぶってんけつじゅう)」と云う題を選んだ...
森鴎外 「かのように」
...領(えり)や肘はいつも垢膩(こうじ)に汚(けが)れている...
森鴎外 「魚玄機」
...樹皮は細膩(さいじ)にして青い...
柳田國男 「アテヌキという地名」
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