...自分勝手に大きく膨れる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...ボロ/\の布の無尻(むじり)を何枚も/\着膨れた...
石川啄木 「足跡」
...底の方に膨れたのは...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...まるで死んだ蛙のようにぷくらんと膨れ上り...
犬田卯 「米」
...だんだん膨れてきた...
レミ・ドゥ・グルモン Remy de Gourmont 上田敏訳 「さしあげた腕」
...もしも最初にそれが膨れ上がり膿になると患者は病的な体液の自然排出によって救われる...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...着膨れて鞠のやうに円くなつた雀たちが...
薄田泣菫 「独楽園」
...顔は押し潰(つぶ)されたとも膨れ上ったとも見える一塊の肉のかたまりになり...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...其頃は土用に入つて間もないのであつたが畑の大豆は莢が急に膨れる...
長塚節 「芋掘り」
...下膨れの為に愛嬌はあつても...
平出修 「畜生道」
...けれど、膨れたとて、機嫌(きげん)を取られれば、それだけ畢竟(つまり)安目にされる道理...
二葉亭四迷 「浮雲」
...小さな膨れた懐中時計を右手に持っている...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...しかしそれが一朝水に潤えば忽(たちま)ち復(ま)た原(も)との膨れた形ちと成るが...
牧野富太郎 「植物記」
...下膨れのした美男であつた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...肥え膨れて色黒く...
南方熊楠 「十二支考」
...もしやパンが焼く前によく膨れていなかったら一旦(いったん)蒸籠(せいろう)で蒸してそれから手水を振ってお焼きなさい...
村井弦斎 「食道楽」
...秘密を持って膨れて見えた...
横光利一 「上海」
...真近く見る姿は絶えず鋭く伸びたり膨れたりした...
横光利一 「旅愁」
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