...俺は餘りに膨れ易い性質を持つてゐるからである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...いくらか尻膨れになってつづまりをつけるのや...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...私をして下膨れの円い壺の中にでもはひつてゐるかのやうな...
薄田泣菫 「独楽園」
...始終わたくしに目を向け――下品で膨れ面...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...波はゆら/\とゆるく私の眼の前に膨れて更にそれが低くなつて汀にばしやりと白い泡を砕く...
長塚節 「隣室の客」
...バラック街は頬張つたやうに膨れかへつてゐた...
葉山嘉樹 「万福追想」
...赤むけの膨れ上った屍体がところどころに配置されていた...
原民喜 「夏の花」
...小さな膨れた懐中時計を右手に持っている...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...それを直(す)ぐに灰篩(はいふる)いか網杓子(あみじゃくし)で掬(すく)い取って皿の上へ盛るのですが長く湯の中へ置くと小さくなりますからフーッと膨れ上ったら直ぐに掬い取らなければいけません...
村井弦斎 「食道楽」
...それをまた木鉢へ移してメリケン粉を一握りほど振かけて以前のように布巾をかけて今の通りな温い処へ二時間置くと大層膨れて柔くなっていますから再び板の上へ取って打粉(うちこ)代りにメリケン粉を振かけてモー一度十分間もでっちるとちょうどいい柔かさの物が出来ます...
村井弦斎 「食道楽」
...別にパンを切ってその中へ十分間ほど漬けておくとパンが大層膨れます...
村井弦斎 「食道楽」
...不純な栄華に膨れ返っている者も居る...
夢野久作 「近世快人伝」
...少しずつ少しずつゴム風船のように膨れ上り初める...
夢野久作 「冥土行進曲」
...皮膚が湯気に浸って膨れて来た...
横光利一 「上海」
...膨れた魚の気胞の中を...
横光利一 「上海」
...膨れ始めた嬌奢な栗の毬がまだ青く見降ろされた...
横光利一 「旅愁」
...一鬱蒼と膨れあがって見える雑木の森が...
蘭郁二郎 「植物人間」
...そしてそこは緑い微生物の群のために膨れ上っているように見え...
蘭郁二郎 「植物人間」
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