...私の身体は所々蚤に喰われて赤く膨れ上っている...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...やがてそろ/\膨れが目に付くやうになつた時は...
石川啄木 「第十八號室より」
...私をして下膨れの円い壺の中にでもはひつてゐるかのやうな...
薄田泣菫 「独楽園」
...その吸口の膨れた部分...
添田唖蝉坊 「乞はない乞食」
...此日も關田の濱へ行く松蔭に休らひ見れば暑き日は浪の膨れのうれにきらめく此日平潟より南へわたる長濱といふ所の斷崖の上に立ちて蟠る松の隙より見おろせば搖りよる波はなべて白泡枝交はす松が眞下は白波の泡噛む巖に釣る短人十二日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...少し着膨れて居りますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...巨大に巨大に宇宙は膨れ上る...
原民喜 「鎮魂歌」
...滅茶苦茶に膨れ上つた肉塊のなかから...
原民喜 「火の子供」
...まだ障子のままで人影が射(さ)している……スルトその人影が見る間にムクムクと膨れ出して...
二葉亭四迷 「浮雲」
...髪に覆われたその下には膨れ上がった皺だらけの顔貌があって...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...お房の頬(ほゝ)が膨れる...
三島霜川 「平民の娘」
...膨れ切った袋のような自分はただ外界から襲って来る力を信ずるだけだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...皮膚が湯気に浸って膨れて来た...
横光利一 「上海」
...甲谷の身体は膨れ始めた...
横光利一 「上海」
...露路口は這い込む人の身体で膨れ上った...
横光利一 「上海」
...下膨れの落ちついた頬に笑窪が洩れる...
横光利一 「榛名」
...体で膨れた豊かな湯の連りに...
横光利一 「旅愁」
...そしてそこは緑い微生物の群のために膨れ上っているように見え...
蘭郁二郎 「植物人間」
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