...炭酸マグネシウムを加えて作ったパンの塊はオーヴンでよく膨れ...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...青ん膨(ぶく)れに膨れた婆が...
芥川龍之介 「妖婆」
...顔が黄色膨れの頭でっかち...
泉鏡花 「怨霊借用」
...肩口のところで紅くなってムクムク膨れ出してくる第三本目の腕の痕など...
海野十三 「三人の双生児」
...それは力士のようにぶくぶくと膨れあがっていた...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...太一は五六日前に隣の五右衞門風呂で病氣が起つて踏板を踏み外して足のうらへ五十錢銀貨位の火膨れが出來たとかで變な歩きやうをしながら今日も落花と毛蟲の糞との散らばつた庭に立つて栗毛蟲を叩いて居る...
長塚節 「芋掘り」
...去つたものは成熟した南瓜がもぎとられた樣なもので後任者は蔓の先へ膨れた青い南瓜だ...
長塚節 「教師」
...いつまでも膨れている...
夏目漱石 「門」
...バラック街は頬張つたやうに膨れかへつてゐた...
葉山嘉樹 「万福追想」
...巨大に巨大に宇宙は膨れ上る...
原民喜 「鎮魂歌」
...内側の右のポケットの生地だけがすっかり伸びて卵なりに膨れている...
久生十蘭 「魔都」
...數千年經るも太鼓の如く膨れ色黒くて存するが...
南方熊楠 「詛言に就て」
...手の膨れなどなおり...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この時充分膨れ上らないようではパンの出来が悪いのです...
村井弦斎 「食道楽」
...一日見ないでゐると妙な膨れが目立つた...
室生犀星 「帆の世界」
...しかしいつもそれは酒場の亭主の膨れあがつた顔で...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...とうとうその瘤(こぶ)の頭が紙みたいに薄くなるまで膨れて来て...
夢野久作 「冥土行進曲」
...ふと急に千鶴子の身体が新しく膨れたように思われ...
横光利一 「旅愁」
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