...膃肭獣(おっとせい)なんぞが?」お蓮は牧野にこう云われても...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...ヲンナの目は膃肭臍の背なかの様に氷の上に滑り落ちてしまつたのである...
李箱 「興行物天使」
...「田村君が女に離れては――雪の屋先生も同じぢやが――水を出た膃肭臍(をつとせい)の樣なものぢや...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...膃肭臍と女医者、大層な違(ちがひ)ぢや、矢張(やつぱ)り邸(やしき)にゐるお蔭だと男爵は思つた...
薄田泣菫 「茶話」
...7僕の父は鰡が生長して膃肭臍になると信じてゐる...
新美南吉 「海から歸る日」
...膃肭獣どもの産褥となり...
久生十蘭 「海豹島」
...たったいま海から上って来た膃肭獣なのではなかろうかという無意味な妄想につかれ...
久生十蘭 「海豹島」
...膃肭獣はだんだんに弱って唸声もあげないようになり...
久生十蘭 「海豹島」
...膃肭獣の棲息場になる砂浜の方へなだれ...
久生十蘭 「海豹島」
...自分の寝台のほうへ這って行って膃肭獣をひきだすと...
久生十蘭 「海豹島」
...みな膃肭獣に変形されてしまうのではなかろうかという考えが...
久生十蘭 「海豹島」
...あの膃肭獣こそは...
久生十蘭 「海豹島」
...膃肭獣の言葉でながながとしゃべった...
久生十蘭 「海豹島」
...なんのために娘を膃肭獣の中へなど入れてあるのか...
久生十蘭 「海豹島」
...膃肭獣は嫋やかな背を見せて丸くなって眠っている...
久生十蘭 「海豹島」
...現実の膃肭獣であった...
久生十蘭 「海豹島」
...けっきょく膃肭獣の中へかくすことを思いつき...
久生十蘭 「海豹島」
...――つまり風船を鼻の先であしらって曲芸をしているたくましい膃肭獣(オットセイ)の絵姿の胸のところに頭をもたらせ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
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