...学者は現象の起こっている最中に電光石火の早わざで現象の急所急所に鋭利な観察力の腰刀でとどめを刺す必要がある...
寺田寅彦 「空想日録」
...ゆるゆる腰刀を抜いて落ち着いてねらいすまして敵を刺すことができるようになるのではないかと思われる...
寺田寅彦 「空想日録」
...而(しこう)して彼らを送りし船は、已(すで)に去りて浩蕩(こうとう)の濤に擒(とりこ)にせられ水烟渺漫(びょうまん)の裡(うち)に在り、腰刀、行李(こうり)またその中に在りて行く所を知らず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...腰刀にて手詰めに夷輩を鏖殺し軍艦を奪うべし〔何ぞ蒙古襲来の役に類する〕...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...髪の結いかたは本田髷(ほんだまげ)細身の腰刀(こしのもの)は渋づくりといったふうで...
長谷川時雨 「勝川花菊の一生」
...檳榔子塗(びんろうぬり)の腰刀を抜いて無造作にガリガリと胡粉を掻き落していたが...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...泰文は蝦夷拵(えぞごしら)え柄曲(えまげ)の一尺ばかりの腰刀を差し...
久生十蘭 「無月物語」
...ここでなにかしでかしたら泰文の腰刀の一と突きを食うだけだと...
久生十蘭 「無月物語」
...腰刀を抜いて三度僕の胸に突き通し...
久生十蘭 「無月物語」
...腰刀で咽喉を抉った...
久生十蘭 「無月物語」
...腰刀をうちこまれたものだということだった...
久生十蘭 「無月物語」
...忠茂熟睡を妨ぐるを怒り腰刀を抜きて犬の頭を切るに...
南方熊楠 「十二支考」
...長やかな腰刀だけに鞘(さや)の塗(ぬ)りの剥落(はくらく)しているのが目にたつ...
吉川英治 「剣の四君子」
...その一人の腰刀を奪い...
吉川英治 「三国志」
...腹当(はらあて)一つに柄(つか)もほつれた腰刀や...
吉川英治 「私本太平記」
...手はおのずから腰刀(こしがたな)の柄(つか)へかかり...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...家伝来(でんらい)の一腰刀(ひとこし)を帯びて出る前に...
吉川英治 「宮本武蔵」
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