...その酔つぱらひの傍に小さくなつて何時までも腰かけてゐます...
伊藤野枝 「内気な娘とお転婆娘」
...すぐ前に三人の制服警官が並んで腰かけていた...
江戸川乱歩 「影男」
...女は窓に背を向けて腰かけていたので...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...次の間の戸棚の中にかくれて様子を見ていることになりました」「女の子はその時どこにいたのです?」「仙ちゃんの膝に腰かけて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「深夜の客」
...こっちに散らばって腰かけているだけで...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...並木の影涼しきところ木の根に腰かけて憩(いこ)えば晴嵐(せいらん)梢を鳴らして衣に入る...
寺田寅彦 「東上記」
...気分のまるで変わった電車のなかに並んで腰かけた...
徳田秋声 「蒼白い月」
...木の髄(ずい)を腐らす猿の腰かけ等...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...家の前の柳の古株に腰かけて...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...千穂子は腰かけたなり...
林芙美子 「河沙魚」
...人間の姿でもない父を父は波を立てて母を沈めた母は波に乗って父を浮かせたまぼろしの陰でわたしは生れた暗い海のみなそこで照る陽の青いうつくしいあいだはわたしはみどりの波間にすべり泳ぐひるまのうちはかなしい陸はわたしの眼にはいらないやみが波の上に来ればわたしは貝を持って陸に来る岩に腰かけてわたしはさびしい歌をうたうおおわたしがうたう狂わしい歌はなにあやしい暗いこころの歌はわたしは霊のない子...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「海豹」
...他の武士の腰かけて居る有様を傍らから見たやうな詞つきでないと思ふ...
正岡子規 「病牀六尺」
...夫人はふかぶかとしたビロオドの安楽椅子に腰かけていて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...一番上席へシンデレラを腰かけさせました...
水谷まさる 「シンデレラ」
...ハッピを着た職人が三四人で何かの空箱に腰かけ焚火をかこんで...
「鏡餅」
...署長の大テーブルのこっち側の椅子に母親が腰かけている...
宮本百合子 「刻々」
...正季の腰かけていた石段口の大きな松の根かたへ...
吉川英治 「私本太平記」
...西行法師ならぬマックラウド氏が腰かけている...
吉川英治 「随筆 新平家」
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