...良秀は燈臺の火の下で掌(てのひら)に何やら腥い肉をのせながら...
芥川龍之介 「地獄變」
...勝誇つた樣な腥(なまぐさ)い笑が其顏に漲つて居た四年以前...
石川啄木 「病院の窓」
...風の腥(なまぐさ)い夜(よ)に...
泉鏡花 「海の使者」
...内容主たる問題 性的経験と対人信仰春的経験 春的気分 春的性感馬慮に伴ふ腥覚時の遺精の一例人にも祈る幸運不運若きニユートンの幸運山の上の出来事...
伊藤野枝 「寄贈雑誌」
...血腥(ちなまぐさ)い事件が起ったのだろう...
海野十三 「人造人間事件」
...人々は血腥(ちなまぐさ)い光景を想像して...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...「血腥い見世物は...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...○(さけ)の食用(しよくよう)腥(なま)にて喰(しよく)するは○魚軒(さしみ)○鱠(なます)○鮓(すし)也...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...二人が血腥(ちなまぐさ)い手をアルコールで消毒し...
谷崎潤一郎 「細雪」
...其(その)血腥(ちなまぐさ)い手(て)から兇暴(きょうばう)の劍(けん)を抛(なげう)ち...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...お産の時のあの甘酸ッぱいような血腥(ちなまぐさ)いような臭気(におい)が...
徳田秋声 「黴」
...もう一つ血腥(ちなまぐさ)い事件が起らずには濟まないでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三重の扉を開くとムツと腥氣(せいき)が漂つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...芥川龍之介氏の「魚河岸」と云ふごく短い小説にはあの日本橋時代の魚河岸の景色に「腥い月明りの吹かれる通りを」と鋭い描写の冴えを示してゐるが...
正岡容 「大正東京錦絵」
...足もとに起つて見下せば蔦かづらを伝ひて渡るべき谷間に腥き風颯と吹きどよめきて万山自ら震動す...
正岡子規 「かけはしの記」
...この血腥い光景を喜んで眺めていたのである5)...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...そこから溢れ出る暗い…………腥いにおいにすべては溺れ込んでゆく...
夢野久作 「月蝕」
...血腥(ちなまぐさ)い風に吹き捲(まく)られている...
吉川英治 「三国志」
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