...良秀は燈臺の火の下で掌(てのひら)に何やら腥い肉をのせながら...
芥川龍之介 「地獄變」
...ぶるぶると動いて……腥(なまぐさ)い...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...そうして袖(そで)で額(ひたい)に流(なが)れる冷汗(ひやあせ)を拭(ふ)いたが顔中(かおじゅう)焼魚(やきざかな)の腥(なまぐさ)い臭(におい)がして来(き)た...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...どこか腥(なまぐさ)い臭(にお)いのするのも胸につかえるようであった...
徳田秋声 「足迹」
...何かしら血腥い異常な興奮にも駆られていた...
豊島与志雄 「悪夢」
...血腥(ちなまぐさ)い話を...
直木三十五 「南国太平記」
...お銀様の鼻に触れたのは紛(ぷん)として腥(なまぐ)さい...
中里介山 「大菩薩峠」
...腥(なまぐさ)い風がドコからともなく吹き渡って来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...腥(なまぐさ)き微温(ぬくもり)を与えつつあるかと怪しまれる...
夏目漱石 「草枕」
...腥(なま)ぐさい臭(におい)が鼻柱を抜ける様に応(こた)える...
夏目漱石 「それから」
...想像の眼で腥(なまぐ)さそうに眺めた...
夏目漱石 「明暗」
...アウレリアンは三度の大規模な血腥い戦闘を行った後...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...そうしてイヨイヨ腥(なまぐさ)くないとこまで来てから喰う...
夢野久作 「近世快人伝」
...そこから溢れ出る暗い…………腥いにおいにすべては溺れ込んでゆく...
夢野久作 「月蝕」
...血腥(ちなまぐさ)い溜息と一所に...
夢野久作 「復讐」
...荒淫腥食(こういんせいしょく)...
吉川英治 「新書太閤記」
...腥風(せいふう)いたずらに寒く...
吉川英治 「新・水滸伝」
...夜気にただよう血腥(ちなまぐ)さい闇の中に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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