...何(なに)か腥(なまぐさ)い塊(かたまり)がおれの口(くち)へこみ上(あ)げて來(く)る...
芥川龍之介 「藪の中」
...腥(なまぐ)さい笑に眼は暗ながらキラ/\光つて居た...
石川啄木 「病院の窓」
...風の腥(なまぐさ)い夜(よ)に...
泉鏡花 「海の使者」
...血腥(ちなまぐさ)い噂がそこら中に広がってる時である...
内田魯庵 「最後の大杉」
...ああ年代の歴史に書かれたる血腥(ちなまぐさ)き画図や...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...雨あがりの漁場、唯もう腥(なまぐさ)い、腥い...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...またある時は血の世界に腥(なまぐさ)き雨を浴びる...
夏目漱石 「虞美人草」
...お前のやうな腥(なまぐさ)のお世話には能うならぬほどに餘計な女郎呼はり置いて貰ひましよ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...血腥い事件の数々を潜って来て居る...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...芥川龍之介氏の「魚河岸」と云ふごく短い小説にはあの日本橋時代の魚河岸の景色に「腥い月明りの吹かれる通りを」と鋭い描写の冴えを示してゐるが...
正岡容 「大正東京錦絵」
...足もとに起つて見下せば蔦かづらを伝ひて渡るべき谷間に腥き風颯と吹きどよめきて万山自ら震動す...
正岡子規 「かけはしの記」
...何處からと無く腥(なまぐさ)いやうな溝(どぶ)泥臭(どろくさ)いやうな一種嫌(いや)な臭が通ツて來て微(かすか)に鼻を撲(う)つ……風早學士は...
三島霜川 「解剖室」
...その酢っぱい腥(なまぐさ)いにおいは...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...何がさて明治もまだ中途半端(はんぱ)頃の血腥(ちなまぐさ)い時代の事とて...
夢野久作 「近世快人伝」
...夜気にただよう血腥(ちなまぐ)さい闇の中に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...血腥(ちなまぐ)さくドロドロと澱(よど)んだ...
蘭郁二郎 「鉄路」
...陰惨な血腥(ちなまぐさ)い吐息が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...腥(なまぐさ)く漾(ただよ)っているのだった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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