...何か腥(なまぐさ)い塊(かたまり)がおれの口へこみ上げて来る...
芥川龍之介 「藪の中」
...此故(このゆゑ)に腥(なまぐさ)き血(ち)の臭(にほひ)失(う)せて白粉(おしろい)の香(かをり)鼻(はな)を突(つ)く太平(たいへい)の御代(みよ)にては小説家(せうせつか)即ち文学者(ぶんがくしや)の数(かず)次第々々(しだい/\)に増加(ぞうか)し...
三文字屋金平 「為文学者経」
...まったく血腥(ちなまぐさ)き戦場と化し去っている時に...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...どこか腥(なまぐさ)い臭(にお)いのするのも胸につかえるようであった...
徳田秋声 「足迹」
...雨あがりの漁場、唯もう腥(なまぐさ)い、腥い...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...此夜幸に雨なかりしが空模様いよ/\穏ならず、風また腥し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...君とわれは腥(なまぐ)さき縄にて...
夏目漱石 「薤露行」
...睦月(むつき)の風はサッと腥く吹いて過ぎます...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...久しく血腥(ちなまぐさ)い邪宗徒の仕置が絶えているのだから――」笹野新三郎の顔は暗く翳(かげ)るのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...血腥(ちなまぐさ)い騒ぎがしたいのか...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...吉(きち)や手前(てめへ)は親(おや)の日(ひ)に腥(なまぐ)さを喰(やつ)たであらう...
樋口一葉 「わかれ道」
...実に血腥(ちなまぐさ)い怖い人物で...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...そこで猩々は自分のした血腥い為事の痕跡を隠さうと思つて...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...もちろん血腥(ちなまぐさ)からぬ世となりて長刀疵などは見たくても見られぬにつけ...
南方熊楠 「十二支考」
...時は血腥(ちなまぐさ)い維新時代である...
夢野久作 「近世快人伝」
...荒淫腥食(こういんせいしょく)...
吉川英治 「新書太閤記」
...血腥(ちなまぐ)さいつづらの中が覗(のぞ)かれた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...陰惨な血腥(ちなまぐさ)い吐息が...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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