...わたしたち、腕一本でも、おまえをかかえて、この森を越すだけの力はある...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「野のはくちょう」
...あなたはどうお思ひになつて? 皐月さんは自分の腕一本切つたのと同じだと仰云つてゐます...
伊藤野枝 「私信」
...彼の腕一本が通るにしても...
海野十三 「蠅男」
...凡(すべ)てカアネエギイのやうに自分の腕一本で事業(しごと)に成功した男は...
薄田泣菫 「茶話」
...吾輩(ぼく)のごときは腕一本――」「いやすっかり忘れていた」と赤黒子はちょいと千々岩の顔を見て...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...腕一本で戦いあえる対等の対立物であるといいきったのである...
中井正一 「美学入門」
...この腕一本のおかげで命拾いをしたと思えば間違いはござんすまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...お前も腕一本取られたのがあきらめ時だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...よけいなチョッカイを出したおつりと思えば腕一本は安いもんだと諦(あきら)めていたくせに...
中里介山 「大菩薩峠」
...腕一本は惜しくないが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...吹矢で腕一本失った時と違って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...歯噛みをして憤りましたが腕一本斬られた敵同志の良平は...
野村胡堂 「百唇の譜」
...私が腕一本と胎児と同じだと云つた事が許すまじき危険思想に響いて居るんですねえ...
原田皐月 「獄中の女より男に」
...腕一本で叩きあげた浜の親方は目をぱちくりしていた...
本庄陸男 「石狩川」
...どんなにわしもうれしいことか――腕一本...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...女の腕一本でもこれだけを見てゐても大したものだ...
室生犀星 「末野女」
...この腕一本で大留を立て直すんだ...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...旅へ出ちゃ腕一本すね一本...
吉川英治 「江戸三国志」
便利!手書き漢字入力検索