...私が腕一本と左眼を失ったのはじつにこの時だった...
海野十三 「放送された遺言」
...凡(すべ)てカアネエギイのやうに自分の腕一本で事業(しごと)に成功した男は...
薄田泣菫 「茶話」
...腕一本で戦いあえる対等の対立物であるといいきったのである...
中井正一 「美学入門」
...この腕一本のおかげで命拾いをしたと思えば間違いはござんすまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...よけいなチョッカイを出したおつりと思えば腕一本は安いもんだと諦(あきら)めていたくせに...
中里介山 「大菩薩峠」
...吹矢で腕一本失った時と違って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...右の腕一本あれば不自由はしない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...腕一本は惜しくないが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...歯噛みをして憤りましたが腕一本斬られた敵同志の良平は...
野村胡堂 「百唇の譜」
...もし捕まれば腕一本ヘシ折られるか...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...左腕一本だけの金五郎のように...
火野葦平 「花と龍」
...(いっそ、腕一本、切ってしまおうか?)あまりの情なさに、そんな無茶も、何度か、考えさえしたほどである...
火野葦平 「花と龍」
...腕一本で叩きあげた浜の親方は目をぱちくりしていた...
本庄陸男 「石狩川」
...腕一本で大坂を八丁荒しした奴等だということだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...どんなにわしもうれしいことか――腕一本...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「何というても腕一本であれまでに仕上げた男だけにさばけた人間ぢやて……...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...女の腕一本でもこれだけを見てゐても大したものだ...
室生犀星 「末野女」
...この腕一本で大留を立て直すんだ...
山本周五郎 「ちいさこべ」
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