...私は孤月と云ふ名をきくとその玄関の格子を一尺ばかり開けて無作法にその柱と格子に曲げた両腕を突つかつて其処に体の重味をもたして気味の悪い眼付きで私を見てゐる人をぢつと見返しながら急に反感がこみ上げて来ました...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...一彦少年の腕をぎゅっと握りました...
海野十三 「怪塔王」
...つまり腕を、もう一本殖やすについては、どういうことをして、それを仕遂げるか」「それは、いえませんよ...
海野十三 「特許多腕人間方式」
...ももと腕の筋肉がかたまりとなってグーッと上下に移動し...
江戸川乱歩 「影男」
...腕を組まぬばかりにして門を出た...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...ロクは腕時計をのぞいて...
高見順 「いやな感じ」
...バルザック像のようにゆったりと腕組みした...
太宰治 「東京八景」
...腕が螺旋(らせん)のように相手の肉体へきりきり食いいるというわけであった...
太宰治 「ロマネスク」
...両腕を胸に組んで何か考え耽っている様子で...
豊島与志雄 「微笑」
...それから前腕に抱え取った...
豊島与志雄 「変な男」
...前の時のように両腕を組んだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...肘までまくつた腕を背後(うしろ)へひろげた...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...うんと腕によりをかけてやろうという気になりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...傳馬町の牢同心が腕に撚(より)をかけて責め拔いても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...おつそろしい腕力で捕手の手をすり抜けた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...又はどんなに凄腕になっても...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...右の腕が痺(しび)れて(蟻が這(は)っているように)むずむずする...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...腕にかけている籠までガタガタふるえている...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
便利!手書き漢字入力検索