...一槌ごとに、むき出しになって行く、裸女の腐肉...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...灰色の腐肉が続いているのは...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...しかるに天南星科の植物には腐肉の如き臭気を発する花の咲くものがあるが...
丘浅次郎 「いわゆる自然の美と自然の愛」
...神性的な腐肉である...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...若くして悶死した魚の腐肉だ...
谷譲次 「踊る地平線」
...爛れた神経の尖端で腐肉の中を吸いまわる...
種田山頭火 「赤い壺」
...腐肉(くされにく)に集(たか)る蒼蠅(あをばへ)でもロミオには優(ま)す幸福者(しあはせもの)ぢゃ...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...またたく間に蛆(うじ)が繁殖(はんしょく)して腐肉(ふにく)の最後の一片(ぺん)まできれいにしゃぶりつくして白骨(はっこつ)と羽毛(うもう)のみを残す...
寺田寅彦 「蛆の効用」
...鳥は鮮魚を食い尽くしたが布切れの下の腐肉には気づかなかったとある...
寺田寅彦 「とんびと油揚」
...鼻に腐肉を嗅ぐやうな匂ひを意識しながら‥‥‥...
南部修太郎 「疑惑」
...骨についている腐肉を匙で掻きとって蒼朮(そうじゅつ)の煎汁で晒し...
久生十蘭 「新西遊記」
...また忽ちにして腐肉を探す肉食鳥のやうな聲を發するあれは一體何物なのだらうか?それに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...腐肉あさりもする...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...三つき目の今日は早もと通りで再び病院へ奉公しなきゃもう持ち堪えんこれがあたしの考えた犠牲的奉仕の報酬だってさええ! くそ癪に触わる群がる鴉どもに此の腐肉をつつかせて(消毒もせずに其の儘)羅馬(ローマ)の滅亡でも偲ぼうかなあ……――五月二十二日...
細井和喜蔵 「泥沼呪文」
...何ものでもない腐肉の如きものだと思われるのであった...
横光利一 「旅愁」
...わざわざ長崎から高価な代金をもって取り寄せた材料をつかわずに、むさい墓場などを掘り返して」「な、なにをいってやがんでい」「墓場をあばいて、死人の腐肉から、何をとるつもりなのだ...
吉川英治 「銀河まつり」
...堕落の腐肉を町奴道に捨てて...
吉川英治 「剣難女難」
...窒息(ちっそく)の苦悩をしながら腐肉(ふにく)を抱えているものにすぎない...
吉川英治 「新書太閤記」
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