...死人の腐肉を喰べた人間の眼ですよ」「そりゃ...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...一槌ごとに、むき出しになって行く、裸女の腐肉...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...一顧(いっこ)の価値もない腐肉の塊であると観じて...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...当(あて)の外(はず)れた青蠅が他の腐肉を捜し求めに四方へ散ってゆくかのように...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...またたく間に蛆(うじ)が繁殖(はんしょく)して腐肉(ふにく)の最後の一片(ぺん)まできれいにしゃぶりつくして白骨(はっこつ)と羽毛(うもう)のみを残す...
寺田寅彦 「蛆の効用」
...それからまた後の例でも鮮肉を食ったために腐肉のにおいに興味がなくなったのかもしれない...
寺田寅彦 「とんびと油揚」
......
峠三吉 「原爆詩集」
...片ッ端から腐肉を殺(そ)いで骨とし...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...鼻に腐肉を嗅ぐやうな匂ひを意識しながら‥‥‥...
南部修太郎 「疑惑」
...腐肉(ふにく)のやうな色餓鬼(いろがき)の市十郎は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...運命の暗い月夜を翔けさり夜浪によごれた腐肉をついばみ泣きゐたりしがああ遠く飛翔し去つてかへらず...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...それは宵闇にさびしくふるへて影にそよぐ死(しに)びと草(ぐさ)のやうになまぐさくぞろぞろと蛆蟲の這ふ腐肉のやうに醜くかつた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...腐肉の臭いをかいでいたが...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...腐肉をあさるような奴じゃないし...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...腐肉あさりもする...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...三つき目の今日は早もと通りで再び病院へ奉公しなきゃもう持ち堪えんこれがあたしの考えた犠牲的奉仕の報酬だってさええ! くそ癪に触わる群がる鴉どもに此の腐肉をつつかせて(消毒もせずに其の儘)羅馬(ローマ)の滅亡でも偲ぼうかなあ……――五月二十二日...
細井和喜蔵 「泥沼呪文」
...何ものでもない腐肉の如きものだと思われるのであった...
横光利一 「旅愁」
...死屍や腐肉の味覚が...
蘭郁二郎 「幻聴」
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