...それらの屍骸の腐爛(ふらん)した臭氣に思はず...
芥川龍之介 「羅生門」
...引渡された遺骸が腐爛して臭気が鼻を衝(つ)いて近寄る事さえ出来なかったという咄を聞いた...
内田魯庵 「最後の大杉」
...まだ形がくずれる程腐爛(ふらん)はしていない...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...少許(ちっと)腐爛氣味(くされぎみ)ぢゃわい...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...社会の或る部分に停滞腐爛を起す...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...彼は幼い時からその腐爛(ふらん)の畑地に嫌悪(けんお)を感じていて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...必死に守っているのだ――異人種どもの腐爛(ふらん)した雰囲気(ふんいき)を周囲に感じながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...暑気のために腐爛する恐れがある...
豊島与志雄 「「沈黙」の話」
...至る所に腐爛(ふらん)と悪気とがある...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...死屍既に腐爛して性の陰陽を弁ぜず...
永井荷風 「桑中喜語」
...「また山行きかね」「ああまた一人連れて行くんだ」「あれかい」と腐爛目は自分の方を見た...
夏目漱石 「坑夫」
...腐爛(ふらん)してしまつた男の死骸を一つ掘り出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...死体の肉身はいちじるしく腐爛し...
久生十蘭 「湖畔」
...して見れば、この骸の上に残された傷も、汚点も、腐爛も、みな俺の臆病、卑劣、虚飾、自己心によって成された罪の紋章であらねばならぬ...
久生十蘭 「湖畔」
...或ハ薬ヲ灌イデ老樹腐爛ノ処ニ入レバ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...法医解剖は惨殺体や時には又腐爛屍体にも触れねばならぬ...
森於菟 「屍体異変」
...誰がこの腐爛(ふらん)した状態から工藝を救い起すであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...腐爛(ふらん)した人間の死骸がいっぱいだよ...
吉川英治 「三国志」
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