...とある網代(あじろ)の塀(へい)の下に腐爛(ふらん)した子供の死骸(しがい)が二つ...
芥川龍之介 「偸盗」
...二つの肉その物の腐爛して行く姿を心のまなこに見詰めてゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...海草の足にからみて腐爛するレヤタン...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...余り腐爛(ふらん)しているので余儀なく直ちに火葬場へ送棺したと知らせて来た...
内田魯庵 「最後の大杉」
...何という反食慾的な腐爛した臭気! そして...
谷譲次 「踊る地平線」
...もう半ば腐爛しかけていて...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...内部より発散する腐爛(ふらん)の気に悩まされざるを得ない...
序 豊島与志雄 「ジャン・クリストフ」
...また彼が数か月来住んでいた腐爛(ふらん)空粗な雰囲気(ふんいき)などにたいして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...文壇全体が停滞し腐爛しはしないかを...
豊島与志雄 「ヒューメーンということに就て」
...腐爛した悪臭がぷんと立った...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...そうでなければ清元(きよもと)や常磐津(ときわず)で腐爛(うじゃじゃ)けている御家人芝居...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠からぬうちに塩鯛(しおだい)の眼玉のごとく腐爛(ふらん)するにきまってる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...死体の肉身はいちじるしく腐爛し...
久生十蘭 「湖畔」
...もうひどく腐爛(ふらん)して血魂が固まりついている死骸が...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黒猫」
...それから『今昔物語』に大和国(やまとのくに)に殺生を楽しんだ者ありて生きながら兎の皮を剥(は)いで野に放つとほどなく毒瘡その身を腐爛して死んだと載せて居る...
南方熊楠 「十二支考」
...誰がこの腐爛(ふらん)した状態から工藝を救い起すであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...悠々と火を焚いて腐爛するのを待つ事になった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...宋朝(そうちょう)の政(まつり)に腐爛(ふらん)さえなければ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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