...――水に浸った木の葉や腐った木の幹の臭いが...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...弱い、踏みにじられたる、いまさら恨(うら)み言えた義理じゃない人の忍びに忍んで、こらえにこらえて、足げにされたる塵芥、腐った女の、いまわのきわの一すじの、神への抗議、おもんの憤怒が、私を泣かせた、ここを忘れてはならない、人の子、その生涯に、三たび、まことに憤怒することあるべし、とモオゼの呟(つぶや)き...
太宰治 「二十世紀旗手」
...其処には水で腐ったお岩の骨ばかりの死骸があった...
田中貢太郎 「南北の東海道四谷怪談」
...魂の腐った奴のすることだ...
豊島与志雄 「反抗」
...この辺は湿気のひどいところで、天日の届かぬ床下に三年以上埋(うず)められたのですから、地湿りと黴(かび)で、滅茶滅茶に傷んでおりますが、埋めた時のままに相違はなく、腐った麻縄や、歪んだ蓋にも、後から手を加えた様子は見えません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――濡れ腐った着物に包まれた...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...腐った飯粒見たいに体中から汗を出して...
葉山嘉樹 「生爪を剥ぐ」
...多くの腐った屍とがあった...
葉山嘉樹 「労働者の居ない船」
...番台では汚れ腐った白上衣を着た角刈の中僧が無精な科(しぐさ)でコップをゆすいでい...
久生十蘭 「金狼」
...女を弄(もてあそ)ぶのは何故だか左程の罪悪とも思って居なかったが、苟(いやしく)も男児たる者が女なんぞに惚れて性根(しょうね)を失うなどと、そんな腐った、そんなやくざな根性で何が出来ると息巻いていた...
二葉亭四迷 「平凡」
...なかば焼けなかば腐った大きな木の梁(はり)が...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...少し物の腐ったような匂いと...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...けれども腐った魚や貝類や...
山本周五郎 「さぶ」
...「あいつは性根の腐ったことをした...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...何ともいえない腐った気持になって...
夢野久作 「難船小僧」
...口の中に腐った樟脳(しょうのう)のような臭気が致しまして……コンナ気持は生れて初めてで御座います...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...腐ったブリが忘れガタミじゃ詰らん」この洒落がわかったらしい...
夢野久作 「近世快人伝」
...濠の腐った水の中に...
吉川英治 「新書太閤記」
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