...威張り腐った高く鋭い声が聞こえる...
東健而訳 大久保ゆう改訳 「瀕死の探偵」
...諸君は腐った空気の中を...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...」そうは、おっしゃるけれども、あの人の悲しい気持が、それは、私を悲しがってくれる気持にちがいないのだけれど、その気持が、あの人の指先から、私の腐った胸に、つらく響いて、ああ早くなおりたいと、しんから思いました...
太宰治 「皮膚と心」
...顔は細長い茄子(なす)の腐ったような顔であった...
田中貢太郎 「疫病神」
...眼と声の腐った不潔な少女達が悪魔よけの陶製の陽物と一しょに売ってる...
谷譲次 「踊る地平線」
...私は所定めず切貼(きりばり)した本堂の古障子(ふるしょうじ)が欄干(らんかん)の腐った廊下に添うて...
永井荷風 「伝通院」
...腐った蓮(はす)の根がそろそろ青い芽(め)を吹きかけている...
夏目漱石 「虞美人草」
...一杯食わせたな」濡れ腐った袷(あわせ)をかなぐり捨てると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ちょうど悪い日本料理屋で腐った鳥を炒(い)り鳥(とり)料理に使うと同じように腐った肉の隠し料理がありますから気を付けないといけません」玉江嬢「オヤそんなものですか...
村井弦斎 「食道楽」
...お前達は腐った根性を守(も)り育てている...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...肺の腐った歌い手にすぐれたテノールの能力を与え...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...女の腐ったのとぬかしたではないか」「ええ面倒だ...
山本周五郎 「半之助祝言」
...あんな穢(けが)らわしい腐った空気の中にいてはこっちまで堕落してしまう...
山本周五郎 「陽気な客」
...われわれの生活を奪うのは残酷ではありませんか」と社会主義の腐ったような理窟を...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...俺達(ヒト)の前で勝手な事をし腐ったのが癪に障るばっかりじゃ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...腐った魚のようなあたたかい臭気(におい)が夜具の中一パイに籠(こ)もっています...
夢野久作 「卵」
...汚(よご)れ腐った着物に...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして腐った無花果(いちじく)のような赤黒い唇を一寸舐め...
蘭郁二郎 「自殺」
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