...その体のうちには腐った水がいっぱいに詰まっているように感じられた...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...下には人参の切れっぱしやキャベツの腐ったような筋が二つ三つ沈んでいる...
大杉栄 「日本脱出記」
...ところが竹藪に近づくにつれて死体の腐ったいやな臭いが風に乗って...
高見順 「いやな感じ」
...顔は細長い茄子(なす)の腐ったような顔であった...
田中貢太郎 「疫病神」
...二人は腐ったように熟睡に陥(お)ちた...
徳田秋声 「仮装人物」
...苔(こけ)の生えた鱗葺(こけらぶ)きの屋根、腐った土台、傾いた柱、汚れた板目(はめ)、干してある襤褸(ぼろ)や襁褓(おしめ)や、並べてある駄菓子や荒物(あらもの)など、陰鬱(いんうつ)な小家(こいえ)は不規則に限りもなく引きつづいて、その間に時々驚くほど大きな門構(もんがまえ)の見えるのは尽(ことごと)く製造場であった...
永井荷風 「すみだ川」
...車中で揺られるたびに、五尺何寸かある大きな胃嚢(いぶくろ)の中で、腐ったものが、波を打つ感じがあった...
夏目漱石 「それから」
...「待ちなよ兄哥(あにい)、あのままにして置いちゃ、殿様は風邪を引くぜ、――質草にはならねえが、俺の半纏を寄進してやろう、――俺か、心配するなってことよ、生れて初めて、羽二重というものを着て見るんだ」半纏の男が着せてくれた、腐った古半纏、それを引掛(ひっか)けたまま、出雲守頼門はぼんやり立って居りました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...五腐った半纏は捨ててしまいました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...腐った袷(あわせ)の一枚(めえ)ぐらいは着せられると――」「馬鹿野郎...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...腐った羊羹どころか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...果てはふて腐ったような様子さえ示すのでござります...
久生十蘭 「魔都」
...なかば焼けなかば腐った大きな木の梁(はり)が...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...あんな女の腐ったような男が...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...血の腐った子や孫ができる...
山本周五郎 「青べか物語」
...腐ったごみや海草の蒸れたのが...
山本周五郎 「さぶ」
...女の腐ったのとぬかしたではないか」「ええ面倒だ...
山本周五郎 「半之助祝言」
...おれはなんという腐ったやつだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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