...屍体の腋下(えきか)にのこる生(な)ま温い体温や...
海野十三 「麻雀殺人事件」
...雛児を盗んでるつて毎日……」と友達は大事さうに紙包を左の腋下(わきした)に持ち替へながら...
薄田泣菫 「茶話」
...頸と腋下(わきした)の淋巴腺(りんぱせん)が鈍く痛み出して...
太宰治 「皮膚と心」
...横から大廻しに廻して殴るよりは腋下からピストンのようにまっすぐに突きだして殴ったほうが約三倍の効果があるということであった...
太宰治 「ロマネスク」
...骨牌札を右の腋下か...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...癌は腋下から頸部にまで転移してい...
外村繁 「日を愛しむ」
...腋下から左腕にかけて...
外村繁 「日を愛しむ」
...腋下の傷口の肉が少し盛り上っているに過ぎない...
外村繁 「落日の光景」
...月丸は、処女らしい、滑らかな肌、暖かすぎるぐらいに暖かい肌、汗ばんでいる肌に、興奮を感じながら、深雪が脇差を落すと共に、左の腋下へ、素早く手を廻して、背から、抱き込んだ...
直木三十五 「南国太平記」
...或は腕につるして下げ或は腋下にたばさみ或は柄を下にし尖を上にして携うるものあり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...ヴァイオリンを温かに右の腋下(えきか)に護(まも)りたる演奏者は...
夏目漱石 「野分」
...腋下(えきか)に清風(せいふう)を生(しょう)ぜざるも...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...はじめ袈裟切りにし、ついで首を刎ねたのち、首のない胴が一つに縫い合わされて、こんどは改めて、はじめ袈裟切りにした下方の部分、腋下から斬る...
服部之総 「せいばい」
...なお妾と互い違いに臥(ふ)して妾の両足(りょうそく)をば自分の両腋下(えきか)に夾(はさ)み...
福田英子 「妾の半生涯」
...「わたしには、もう、一刻も、そなたとはなれては、生きていられぬような気がします――わたしは、うれしい――苦しい――切ない! 雪之丞どの」「浪路さま!」雪之丞の、腋下からは、冷たい汗が、しとどに流れ落ちて来る――――ああ、何という浅間しいいつわりがこの口から出るのであろう! だが、わしはもっと、嘘をつかねばならぬのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...腋下にひややかな汗をおぼえながらも...
三好達治 「測量船拾遺」
......
夢野久作 「髪切虫」
...急峻なる赭土道を駈け下り狭い曲り角に来るたんびにわたくしたちは腋下に冷汗を覚ゆるのであつた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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