...マツグは生憎脳天に空罎が落ちたものですから...
芥川龍之介 「河童」
...この脳天の入れ墨だけ取り残されることになつたのだとか...
芥川龍之介 「雛」
...手桶に酌んだ湯を脳天からぶつかける容子などが余程せつかちのやうに見えた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...三人の女が総がかりで脳天を氷で冷やすという騒ぎだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼の脳天を動きつつある雲の往来(ゆきき)がよく解った...
夏目漱石 「行人」
...かの鉄棒を脳天より下す...
夏目漱石 「幻影の盾」
...――主人が偕老同穴(かいろうどうけつ)を契(ちぎ)った夫人の脳天の真中には真丸(まんまる)な大きな禿(はげ)がある...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その次には脳天を平らに刈って左右は真直に切り落す...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...駒三郎の脳天を叩き割った...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...へつ! このすつかり霜をいただいたわしが脳天(どたま)の古林と...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...丸い脳天と上唇とには...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...それほどの脳天気でもねえし...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...「あのねえ、あの、あのね、あたいは、ううふふふふ、くちュぐるのやアだよ、あっ、うっ、あのあの、……たアんま」どたばたと音がするわけだろう、「あたいたアんま、あっ、ねえったや、おばちゃんッ、もうごめ、もうごめんだよ」「これはしたり若殿様、そのようにおうろたえ遊ばすと、姫ごぜのあられもないと世上の物やらいになりやすぞえこれまあちょっと、お静かに、あれ、え、この脳天気め、じたばたするとうぬ、こうするぞ、抜け作野郎」「ごめんだよ、ごめんだよう、きゅッ」さて演者は、講演を急ぐことにしようと思う...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...鉄鎚(かなづち)で脳天を喰らわしてやるんだぞ...
夢野久作 「鉄鎚」
...そこへ脳天を打(ぶ)っ付けねえ...
夢野久作 「支那米の袋」
...雨龍太郎の脳天目がけて...
吉川英治 「剣難女難」
...蛾次郎(がじろう)のすぐ脳天(のうてん)のところへ片足(かたあし)をブランと垂(た)らした...
吉川英治 「神州天馬侠」
...清麿は、彼の脳天から、雷鳴(かみなり)のように呶鳴った...
吉川英治 「山浦清麿」
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