...――全然その意味を脱化さえすれば――その句は自己の句として記録に残しておいてもさしつかえないと考えるのであります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...「剪燈新話(せんとうしんわ)」の中の牡丹燈記(ぼたんとうき)から脱化したものである...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...人をして第十九世紀欧州議院政治の制度より脱化し来たるものならんと予想せしむるところの国会の開設はすでに四...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...からの必然的な脱化であったのである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...弁証法はそこで消極的な意味から積極的な役割を有つものに脱化した...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...終局において政党否定乃至議会政治虚脱化の意味をもつこのセミ・ブレン・トラスト組織に反対せねばならぬ建前からいっても...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...発育と変遷と脱化とを経なければならぬ理由があったのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...神仙が脱化(だつげ)して人間界に下りて来るとのこと...
中里介山 「大菩薩峠」
...司馬江漢あたりの筆に脱化された洋画の趣味も捨て難いものだと思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...普化禅師の脱化の鈴の音そのままを取った響なのでございますか...
中里介山 「大菩薩峠」
...かくのごとき態度は全く俳句から脱化して来たものである...
夏目漱石 「写生文」
...こう猫の習癖を脱化して見ると三毛子や黒の事ばかり荷厄介にしている訳には行かん...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...洒脱化(しゃだつか)しているのである...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...ブレンターノに系統を引くスツンプの心理學やヴントから脱化したキュルペの心理學等皆それである...
増田惟茂 「知的作用と感情と」
...或一部分は印度のカーリダーサと云ふ有名な作者の書いたメガヅータ(雲の使)と云ふ脚本から脱化し來つたものであるといふ...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...江戸の刷物から脱化した新趣味として...
山本笑月 「明治世相百話」
...まだ山犬の性が多分に脱化しきれない――野獣から家畜への過渡期にあるのと同様な――山侍の一人だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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