...言葉の羈絆(きはん)から脱するように努めながら...
丘浅次郎 「我らの哲学」
...いまだ禽獣(きんじゅう)の域を脱することあまり遠くないという事実をおおうことはできぬ...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...一時ちょっと万物が虚脱するような真昼の静寂だった――どうもいかにも大事件が突発しそうだが...
谷譲次 「踊る地平線」
...矢張『自己』小説の範囲を脱することが出来なかつた...
田山録弥 「自他の融合」
...この心の悩ましさを解脱することが出来て...
近松秋江 「狂乱」
...実践は常に個人人格的な倫理性格を脱することが出来ず...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...ブルジョア・ジャーナリズムの束縛を脱するということが本質的な意義をもつのだけれども...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...一 苦に對する三種の態度苦を脱するために苦に對する我々の態度に大凡三種の別があるだらうと思はれます...
朝永三十郎 「學究漫録」
...その凡庸な域を脱するために努力をするよりもむしろ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...何物もそれから脱することはできない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...むしろかかる聯關を離脱する點にそれの本質は存するのである...
波多野精一 「時と永遠」
...漸つと死の危機から脱することが出來たが...
堀辰雄 「死の素描」
...と空論はすれどその作るところのかえっていつわりのたくみを脱するあたわざるは誠...
正岡子規 「曙覧の歌」
...言葉というものが歴史を脱することのできないものである限り...
三木清 「読書遍歴」
...わたくしは雑駁(ざっぱく)なるヂレッタンチスムの境界(きょうがい)を脱することが出来ない...
森鴎外 「渋江抽斎」
...追い迫って来る仏の思想かられ脱する労苦も繰り返し...
横光利一 「旅愁」
...)先生が製作によって生の煩わしさを超脱する心持ちは...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
...本能を脱することができない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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