...大王は苦境を脱するため種々苦心し色々の機動を試みたが...
石原莞爾 「戦争史大観」
...我れ猶ほ未だ物質以上に超脱するを得ざる也...
大町桂月 「石田堤」
...一時ちょっと万物が虚脱するような真昼の静寂だった――どうもいかにも大事件が突発しそうだが...
谷譲次 「踊る地平線」
...△死生から脱することは出来ないが...
種田山頭火 「行乞記」
...彼はそのかすかなる声にて弟子に向かい「汝は余を苦痛より脱するあたわざるか」と請いければその弟子はたちまち短剣をひっさげ「これをもって救わんか」と答えり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...併しそれだけの主観的制限を脱することは出来ない...
戸坂潤 「所謂批評の「科学性」についての考察」
...ブルジョア・ジャーナリズムの束縛を脱するということが本質的な意義をもつのだけれども...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...このような困難を脱する唯だ一つの道は公理を一定不動なものとすることを捨てること...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...一 苦に對する三種の態度苦を脱するために苦に對する我々の態度に大凡三種の別があるだらうと思はれます...
朝永三十郎 「學究漫録」
...これを脱するにはどうしたらいいでしょう?――強者にならなければいけません...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...危機を脱するために...
豊島与志雄 「憑きもの」
...彼女の厄(やく)を脱するには...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...見る意味の日常性より脱すること...
中井正一 「絵画の不安」
...フラマン人は西班牙(スペイン)政庁の羈絆(きはん)を脱するや最近十九世紀の文明に乗じて一大飛躍を試みたる国民たり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...サラリと解脱することがおできになるのです」「それを私がいうんですか」「さよう...
久生十蘭 「雲の小径」
...もろもろの慾念から離脱することによつて初めて眞の認識は可能になる...
三木清 「認識論」
...女たちは男たちの支配を脱するために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...民衆と没交渉であるかぎり社会的罪悪から脱することはできない...
柳宗悦 「工藝の道」
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