...背戸口の四つ目垣の外にお増がぼんやり立って...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...この四つ目垣には野生の白薔薇をからませてあるが...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...せんだって四つ目垣の朽ちたのを取り換えたとき...
寺田寅彦 「破片」
...境界には低い四つ目垣を拵える予定であることが...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...裏手の低い四つ目垣を跨ぎ越して家に帰った...
豊島与志雄 「絶縁体」
...四つ目垣の木戸を押しあけてはいって行くのである...
豊島与志雄 「鳶と柿と鶏」
...低い四つ目垣が拵えてあるきりでした...
豊島与志雄 「水甕」
...四つ目垣を乗り越してゆきました...
豊島与志雄 「水甕」
...四つ目垣が、月の光りに仄かに見えました...
豊島与志雄 「水甕」
...高さ三尺ばかりの四つ目垣が出来上がった...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...諸君は四つ目垣とはいかなる者であるか御承知であろう...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...然し落雲館の校長は猫のために四つ目垣を作ったのではない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...四つ目垣の穴を潜(くぐ)り得る事は...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...邸内に這入るもっとも簡便な方法は四つ目垣を越えるにある...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...四つ目垣を通り越して桐(きり)の下葉を振い落して...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...此處で待つて居るから」平次はさゝやかな四つ目垣にもたれて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...四つ目垣の内に、高野槙(こうやまき)が一本とちゃぼ檜葉(ひば)が二三本と植えてあって、植木の間から、竹格子を打った肘懸窓(ひじかけまど)が見えている...
森鴎外 「雁」
...問答の筋とは何の関係もなく、頻りに眼の前に浮んで来るのは、あの借宅の裏庭の朝の景で、そこには井戸があり、四つ目垣があり、大輪の朝顔の瑠璃色なのが、こちらを向いて幾つも咲いていて、それに平がなで「くにを」「くにを」という文字が、一つ一つ花に書いてあり、これに仰天してあたりを見回すと、一人の婦人が片手に小さな瓶を持って笑っていて、こういう強い酢で書いて置くと、後に字が出るのだと教えてくれた...
柳田国男 「故郷七十年」
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