...――或長病(ながわづらひ)に苦しんだ女の彼の衣(ころも)にさはつた為に彼の力の脱けるのを感じた...
芥川龍之介 「西方の人」
...両腕はまさに脱ける様だ...
徳冨盧花 「水汲み」
...脱けることのできない陶酔を見つけようとする試み――これらすべてのものは...
中井正一 「現代美学の危機と映画理論」
...ところどころ脱けるかも知れません」「よござんすとも...
夏目漱石 「草枕」
...今更帰ることも脱けることも出来ません...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...「いくらでも脱ける」と...
原民喜 「星のわななき」
...乳首が遂に口を脱ける...
二葉亭四迷 「平凡」
...旅に出ることは日常の生活環境を脱けることであり...
三木清 「人生論ノート」
...旅に出ることは日常の生活環境を脱けることであり...
三木清 「人生論ノート」
...兎(と)に角(かく)俺(おれ)の此の壓迫を脱けるとしやう...
三島霜川 「平民の娘」
...やはり環境的にもたらされてそこから脱ける意力ははぐくまれていなかった不幸の最大の原因であったということを...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...今度は毛が脱けるかもしれないけれどもあんなすさまじいやつれはありません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あそこを脱けるのは容易な事ではない...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...どうも脱ける事はむづかしいとか...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...生れつきの歯が脱けると象牙製の歯を用いるように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...苦界から脱ける意志を持たぬと云うことも...
横光利一 「静安寺の碑文」
...また事実塩野や千鶴子に会うたびに必ず想い起す西洋の幻影の盛り上って来る勢力からすり脱けるだけでも...
横光利一 「旅愁」
...やっと切り脱けるような努力で...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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