...――或長病(ながわづらひ)に苦しんだ女の彼の衣(ころも)にさはつた為に彼の力の脱けるのを感じた...
芥川龍之介 「西方の人」
...重苦しい嫌な氣分から脱けることができなかつた...
田畑修一郎 「南方」
...一度かかった係蹄(わな)から脱けるのは...
徳田秋声 「仮装人物」
...脱けることのできない陶酔を見つけようとする試み――これらすべてのものは...
中井正一 「現代美学の危機と映画理論」
...ところどころ脱けるかも知れません」「よござんすとも...
夏目漱石 「草枕」
...今更帰ることも脱けることも出来ません...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...疲れが少し脱けると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「いくらでも脱ける」と...
原民喜 「星のわななき」
...短い松原を脱けると直ぐに海なので...
牧野信一 「スプリングコート」
...やはり環境的にもたらされてそこから脱ける意力ははぐくまれていなかった不幸の最大の原因であったということを...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...あそこを脱けるのは容易な事ではない...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...どうも脱ける事はむづかしいとか...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...十訶和郎(かわろ)は兵士(つわもの)たちの間を脱けると...
横光利一 「日輪」
...京都へ脱ける間道のあるのは...
横光利一 「琵琶湖」
...この混雑した闘争のさ中をきり脱けることが出来なかった...
横光利一 「旅愁」
...それもそこを遠慮なく走り脱けることの出来る列車というものも...
横光利一 「旅愁」
...また事実塩野や千鶴子に会うたびに必ず想い起す西洋の幻影の盛り上って来る勢力からすり脱けるだけでも...
横光利一 「旅愁」
...やっと切り脱けるような努力で...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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