...――或長病(ながわづらひ)に苦しんだ女の彼の衣(ころも)にさはつた為に彼の力の脱けるのを感じた...
芥川龍之介 「西方の人」
...予は僅かに虚偽の淵(ふち)から脱ける一策を思いつき...
伊藤左千夫 「浜菊」
...一度かかった係蹄(わな)から脱けるのは...
徳田秋声 「仮装人物」
...所詮此雷雨の重囲を脱けることは出来ぬと観念して...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...両腕はまさに脱ける様だ...
徳冨盧花 「水汲み」
...脱けることのできない陶酔を見つけようとする試み――これらすべてのものは...
中井正一 「現代美学の危機と映画理論」
...ところどころ脱けるかも知れません」「よござんすとも...
夏目漱石 「草枕」
...疲れが少し脱けると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...乳首が遂に口を脱ける...
二葉亭四迷 「平凡」
...今日で、僕は脱ける...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...短い松原を脱けると直ぐに海なので...
牧野信一 「スプリングコート」
...兎(と)に角(かく)俺(おれ)の此の壓迫を脱けるとしやう...
三島霜川 「平民の娘」
...やはり環境的にもたらされてそこから脱ける意力ははぐくまれていなかった不幸の最大の原因であったということを...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...今度は毛が脱けるかもしれないけれどもあんなすさまじいやつれはありません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...生れつきの歯が脱けると象牙製の歯を用いるように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...」参木は今は全く力の脱けるのを感じた...
横光利一 「上海」
...京都へ脱ける間道のあるのは...
横光利一 「琵琶湖」
...やっと切り脱けるような努力で...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
便利!手書き漢字入力検索