...どうして君には脣まで見えたんだね...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...俺(おれ)の脣(くちびる)に接吻(せっぷん)して命(いのち)の息(いき)を吹込(ふきこ)んでくれたと見(み)た……死(し)んだ者(もの)が思案(しあん)するとは不思議(ふしぎ)な夢(ゆめ)!……すると...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...それから私はその脣(くち)にブランディをつぎ込んだ...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...母親は両手に娘の頭を抱えてやたらに脣(くちびる)をつけながら...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「ああほんとによく駆けたこと!」すると彼は彼女の額に脣(くちびる)をつけてやった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その女は一体どうしたらいいんでしょう?』『愛していないんですと?』と商人は眉や脣を動かしながら...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...八郎太の、血まみれの脣に、微笑が上った...
直木三十五 「南国太平記」
...「某は、それが、七瀬殿なり、お身の本心じゃ、と思うが――何うかの」「それがとは?」「父兄に不同意と、見せかけて――」月丸は、腕組をして、綱手を見ながら、だんだん脣に、眼に、笑いを、大きくして行った...
直木三十五 「南国太平記」
...脣も、手も、膝も、がくがく顫えていて、時々、身体を浮かしては、立上りそうになった...
直木三十五 「南国太平記」
...與吉(よきち)は羞(はにか)んだやうにして五厘(りん)の銅貨(どうくわ)で脣(くちびる)をこすりながら立(た)つて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...脣(くちびる)に臭ぞ殘る放埒の慾心のあさましく汚らはしああ悔恨は死を迫るつと起き出でてよろよろとたんすを探る闇の中しかはあれ共ピストルを投げやりてをののきぬ怖れぬ床に身を臥(ふ)してそのたまゆらに狂ほしく稚子のやうにも泣き入りぬさはしかすがに事もなく夜の明けたるを悦びて感謝の手をば合せぬる...
萩原朔太郎 「宿醉」
...脣は南國の花のやうに厚い肉をしてゐるたか子...
林芙美子 「或る女」
...伊代は脣を尖がらして鼻の上の粉雪をぷっと吹いた...
林芙美子 「帯広まで」
...その脣はまるで生きてゐるやうに温かつた...
堀辰雄 「鼠」
...女の脣(くちびる)はやさしい曲線をなして...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「かなしき女王」
...ムルタはからっぽの蘆を脣(くちびる)にあてて吹きはじめた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...エマルは立ってケリルの脣(くちびる)に接吻した...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「約束」
...頬麗(きょうれい)丹脣(たんしん)にして威(い)のあるようす...
吉川英治 「神州天馬侠」
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