...いつも眞赤(まっか)になってゐる……其(その)姫(ひめ)の脣(くちびる)から永劫(えいがう)死(し)なぬ天福(てんぷく)を窃(そっ)と盜(ぬす)むことも出來(でく)る...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...ヴェール越しの脣(くち)づけにも似たものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...知らぬまに脣(くちびる)を合わし...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...下脣(したくちびる)をつき出して慧敏(けいびん)らしい脹(ふく)れ面(つら)をした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...エポニーヌの額の冷たさを脣(くちびる)の下に感じた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...背中も、髻(もとどり)も、土埃にまみれて、顔色が蒼白に変り、脣が紫色で、眼が凄く、血走っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...「うむっ」呻きとも、叫びともわからぬ声がして、脣を、きつく噛んだ刹那、鎧通が、頸動脈を突き通したらしく、濃い、太い、勢のいい鮮血が、二尺余りも、横ざまに飛んだ...
直木三十五 「南国太平記」
...「哲丸は――」と、斉彬が、呟くと共に、久光は、脣を噛んで、俯向いた...
直木三十五 「南国太平記」
...脣の痙攣するやうな動きにつれて...
南部修太郎 「疑惑」
...ありがたう厶いますと云つた‥‥)あの脣...
林芙美子 「或る女」
...顔はタヒチの女のように脣が厚く大きく野性的な表情で...
林芙美子 「帯広まで」
...」かう云つた女の脣は微にふるへて居た...
平出修 「計畫」
...モルモットはその可愛い口から極めて小さな舌を出して人間の脣を舐めた...
細井和喜蔵 「モルモット」
...「お前は森さんのことをどうお考えなの?」「私? ……」お前は脣(くちびる)を噛んだまま...
堀辰雄 「菜穂子」
...彼の脣の上にそつと接吻をした...
堀辰雄 「鼠」
...そしてモリイシャはきっとあなたの死を求めるでしょう」「死はひとつの夢です」そう言ってカアルは前に屈んでアルダナの脣(くちびる)を二度吸った「一つは...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...一列に並んだ娘達が桃色の脣を開いて歌つたことであらう...
森鴎外 「花子」
...下脣の下に刻んだ深い笑靨は...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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