...明眸絳脣(めいぼうかうしん)...
芥川龍之介 「骨董羹」
...でもまだ脣(くちびる)の色はなかったが...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...その薔薇(ばら)色の脣(くちびる)は人を惑わす魅力をもってむだ口をきいていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...墳墓の驚きに満ちたるその青ざめた脣(くちびる)の上と茫然(ぼうぜん)たる瞳のうちとに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ヴェール越しの脣(くち)づけにも似たものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...脣(くちびる)のキッスのみで八種あるが...
直木三十五 「大阪を歩く」
...脣(くちびる)は...
直木三十五 「南国太平記」
...和田が、捕えられたのを見棄てて、一人、逃げる所存か」睨みながら、脣へ、微笑を浮べていた...
直木三十五 「南国太平記」
...嗷(かまびす)しい脣吻(しんぷん)の音をもって...
中島敦 「弟子」
...さば雲もろとも融けること、――すがすがしさにうべなはれ、曙(あけぼの)が、森に満たするみづみづし菫の上に息絶ゆること!恥刃(は)が脳漿を切らないかぎり、白くて緑(あを)くて脂(あぶら)ぎつたるこのムツとするお荷物のさつぱり致そう筈もない……(あゝ、奴は切らなけあなるまいに、その鼻、その脣(くち)、その耳をその腹も! すばらしや、脚も棄てなけあなるまいに!)だが、いや、確かに頭に刃、脇に砂礫(こいし)を、腸に火を加へぬかぎりは、寸時たりと、五月蠅((うるさ))い子供の此ン畜生が、ちよこまかと謀反気やめることもないモン・ロシウの猫のやう、何処(どこ)も彼処(かしこ)も臭くする!――だが死の時には、神様よ、なんとか祈りも出ますやう……若夫婦部屋は濃藍の空に向つて開かれてゐる...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...いやさうして尚ほも脣を動かし續けてゐるお前の前に佇んでゐる堪らない苦痛と...
南部修太郎 「疑惑」
...脣(くちびる)に臭ぞ殘る放埒の慾心のあさましく汚らはしああ悔恨は死を迫るつと起き出でてよろよろとたんすを探る闇の中しかはあれ共ピストルを投げやりてをののきぬ怖れぬ床に身を臥(ふ)してそのたまゆらに狂ほしく稚子のやうにも泣き入りぬさはしかすがに事もなく夜の明けたるを悦びて感謝の手をば合せぬる...
萩原朔太郎 「宿醉」
...妙に脣のあたりが歪んで指先きが震えた...
林芙美子 「泣虫小僧」
...荒々しく自分の脣を母のそれの上にあてた...
堀辰雄 「羽ばたき」
...ムルタはからっぽの蘆を脣(くちびる)にあてて吹きはじめた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...色を失くした大きな脣が...
山川方夫 「愛のごとく」
...非常に微妙な輪郭を持つてゐる脣の上で...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...売笑婦の心理的な綺羅(きら)によって飾られた脣(くちびる)から...
吉行エイスケ 「戦争のファンタジイ」
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