...良秀はまるでそれが聞えないやうにあの赤い脣へ舌なめずりをして...
芥川龍之介 「地獄變」
...可愛い脣……」と...
魯迅 井上紅梅訳 「幸福な家庭」
...でもまだ脣(くちびる)の色はなかったが...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...百合枝の脣がいった...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...それは彼女の脣である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...母親は両手に娘の頭を抱えてやたらに脣(くちびる)をつけながら...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...脣(くち)づけと夢との会合が...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...脣に出しながら(これで...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...頬も、脣も、歪んで、襟も、裾も、肉を現していた...
直木三十五 「南国太平記」
...「深手か」と、いって、月丸の上へ、膝をついて、蝋燭を差出すと、月丸は、蒼白な顔をして、額に、脂汗を出しながら「許して――」と、いったまま、俯向いて、頬も、脣も、ぴくぴく引きつらせていた...
直木三十五 「南国太平記」
...脣(くちびる)に微笑していたが...
直木三十五 「南国太平記」
...吉之助は、はだしのまま入って来て、後向きの人々の肩の、頭の間から、ちらっと見える、座の人々の憂色を見ると、脣を噛んで、庭先へ、坐ってしまった...
直木三十五 「南国太平記」
...子供のように笑窪のある手の甲で脣のはたを拭いた...
林芙美子 「帯広まで」
...脣(くちびる)から泡を吹くのだ...
フレデリック・ブウテ Frederic Boutet 森鴎外訳 「橋の下」
...そして彼等の脣が合はさり...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...自分の小指を脣で濡らしながら...
堀辰雄 「窓」
...脣が障ったようでしたわ...
モルナール・フェレンツ Molnar Ferenc 森鴎外訳 「破落戸の昇天」
...内蔵助の脣(くちびる)から走ったものだった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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