...脊丈は三尺にも足りまい...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...渠は一方に詰らないものを脊負(しよ)ひ込んだやうな氣もするが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...友人に會ふ前に、ちよツと別な知人の方を訪問して來ようか知らん、それとも、今少し待つて見ようかなどと、心が落ちつかないで、立つたりゐたりしてゐると、向うから、相變らず猫脊、下向き加減の友人の歸つて來るのが見えた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...非常梯子の上り口に立って、うやうやしく挙手(きょしゅ)の礼をして立っている二人の白いターバンに黒眼鏡に太い髭(ひげ)の印度人巡警(インドじんじゅんけい)! 脊の高い瘠(や)せた方が醤買石(しょうかいせき)で、脊が低く、ずんぐり肥っている方が、醤が特選して連れてきた前途有望な瓦斯師長(ガスしちょう)燻精(くんせい)であった...
海野十三 「毒瓦斯発明官」
...しかも社会上の栄達に失望した極貧の遺伝的脊髄病患者である...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...その唱哥(しやうか)にめでた/\の若松さまは枝も栄ゆる葉も茂るさんやめでたい花水さんやせな(脊)にあびせんわが(我)せな(夫男)に」をりかへし/\しやうがをかえてうたひをどる...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...一二)納豆賣日の出前の町を納豆賣の女は赤ん坊を脊中に縛りつけて鳥の樣に歌つてゆくすばらしい足の早さであつち...
千家元麿 「自分は見た」
...脊の子も娘の肩の上に頬をのつけて居眠つて居る店の中ではどこでも人が皆んな立上つて居る...
千家元麿 「自分は見た」
...僕は脊髄がわるいんだけど...
太宰治 「津軽」
...チリのコピアポにては人類の第二の脊椎に石鏃(せきぞく)の立ちたる儘(まま)の物を發見(はつけん)し...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...暗殺者が前日に侯爵の馬車の下にぶら下って来た脊の高い男であり...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...其因果の重(おも)みを脊中(せなか)に負(しよ)つて...
夏目漱石 「それから」
...脊筋がぞくぞくするよ...
林芙美子 「クララ」
...脊の高い吉田さんの影が門から消えると...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...脊迄きたと唄ひ乍ら...
南方熊楠 「人柱の話」
...衰弱しない脊髄の辺からじりじりと滲み出して来るような状態にあった...
宮本百合子 「或る日」
...私の眼前にゐる老婦人は、血色の好い、中脊の、どつちかといへば肥つた、愛嬌のある婦人であつた...
吉江喬松 「山岳美觀」
...その左には脊の高いヤンが頭をきつと擧げて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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