...今さらどのような事があろうと脇目(わきめ)を振る気はないんですから」お千代はわけもなくおとよのために泣いて...
伊藤左千夫 「春の潮」
...小鼻の脇に、綺麗(きれい)な脂(あぶら)の玉が光って、それを吹き出した毛穴共が、まるで洞穴(ほらあな)の様に、いとも艶(なまめか)しく息づいていた...
江戸川乱歩 「火星の運河」
...左ニ勢至ノ二脇侍立像ガ侍立シテイテ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...ときおり、膝(ひざ)をついたまま、脇目もふらずに、一日じゅう祈祷をしながら起きようともせぬ彼の姿を、参詣の人々は見受けることがあった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...それでも、蒲団の中には、たしなみとして、波の平の脇差が、忍ばせてあった...
直木三十五 「南国太平記」
...その脇差を柄(つか)も通れと突き立てました...
中里介山 「大菩薩峠」
...山脇玄内という兇賊を自分の伯父と知る由(よし)もないお加奈は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...……脇息もございますから...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「あれに間違いはないか」と彼は片手を脇差(わきざし)にかけて見せた...
本庄陸男 「石狩川」
...俺は門脇の桜を学校へ寄附するんだ...
牧野信一 「サクラの花びら」
...あなたのお脇差で...
正岡容 「圓朝花火」
...脇(第二句)には字止(じどめ)といふ定めあり...
正岡子規 「俳諧大要」
...さつさと町の片側を脇目(わきめ)もふらず歩いて行つた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...総括して言へば、竹内某、森脇某、某氏伊十、某氏広右衛門、矢川某の五人が茶山の此書牘に出でてゐる不明の人物である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...その脇には女主人が...
山本周五郎 「青べか物語」
...「まだ気になってしようがねえんだが」と栄二が脇を見ながら低い声で云った...
山本周五郎 「さぶ」
...彼はてれたように額の脇を指でこすった...
山本周五郎 「さぶ」
...その小脇にかかえた口紅棒の汚点のついたハンド・バッグを離さない...
吉行エイスケ 「東京ロマンティック恋愛記」
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