...緑雨も毒舌家とか皮肉屋といはれる半面に情に脆いところがあつて...
伊庭心猿 「緑雨と一葉」
...烈しくして脆いこの表現の妙は悉くその性格の中正を捉へた彫刻的契機から発する...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...蝶の敏感な触角と脆い生活力...
豊島与志雄 「春」
...女はまるで脆い器みたいなもんだでなあ...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...脆いのではない、この手でやられては、誰でも免(まぬが)れる由はあるまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...或は潔癖精神的に幻想のげにも脆い臍の緒を掴へることによつて...
中原中也 「音楽と世態」
...それにしても我が国婦人の服装たるやなんと脆い感じのするものだらう...
中原中也 「三等車の中(スケッチ)」
...脆い結晶性の氷で...
中谷宇吉郎 「樹氷の科学」
...人間なんてなんと云っても脆いものだな...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...脆い気持ちになり...
林芙美子 「瀑布」
...小さな、脆い器具類は、手にとり上げると、すぐ壞れるので、いそいで元の場所に置かれた...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から」
...壇の前に脆いて秘かに神の判断を乞ふた...
牧野信一 「村のストア派」
...正直だとか、内氣だとか、涙脆いとか、人がよすぎるとか、品行方正だとかいふのは、みんなの期待する事では無かつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...苦痛や困難を背中や肩で支えて来たことのない人間のまことに脆い場合です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...情の脆い人等の住むあたりに響き渡れば好いに...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...そこは陽当りもよし岩質が脆いので...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...町人の身代と言うものは脆いもので...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...塩野は裏口の方の脆い石の欄干から倒れんばかりに身を乗り出し...
横光利一 「旅愁」
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