...今は唯情(なさけ)に脆い風(かぜ)の出來心(できごゝろ)を...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...元が安物で脆弱(ひよわ)いからであろうけれど...
鈴木三重吉 「千鳥」
...その中で新教(プロテスタント)の神様は質素(じみ)で倹約で加之(おまけ)に涙脆(なみだもろ)いので婦人(をんな)には愛される方(ほう)だが...
薄田泣菫 「茶話」
...比較的脆弱(ぜいじやく)な五穀蔬菜は...
徳冨蘆花 「草とり」
...ずいぶんこれで涙脆(なみだもろ)いことがありますのよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...沙翁(シェクスピア)は女を評して脆(もろ)きは汝が名なりと云った...
夏目漱石 「虞美人草」
...僕たちが生きている世界の脆さ...
原民喜 「夢と人生」
...われわれは精神の王国の祭壇の前に脆坐(ぜいざ)する時に...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...我々の脆(もろ)く弱い生命がこうむるさまざまな不幸までも神性と見るに至っては...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「蒸気河岸の先生だからな」と彼は自分の情の脆(もろ)さに自分ではらを立てたように云った...
山本周五郎 「青べか物語」
...柳の枯葉はあわれなほど脆(もろ)く舞い散り...
山本周五郎 「柳橋物語」
...わが目に映るは今脆(もろ)き人間の外(ほか)に立てる(ぶな)の大樹と石の卓とばかり...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...笠一荊州の本城は実に脆(もろ)く陥(お)ちた...
吉川英治 「三国志」
...ふしぎというほかはない脆(もろ)さであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...(だめだ)脆(もろ)くも...
吉川英治 「親鸞」
...衆はこうなると一より脆(もろ)い...
吉川英治 「宮本武蔵」
...意志の脆(もろ)い性質の弱点が出ていけない...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...その時彼の眼の前に現われて来たのがこの王国の脆弱点なのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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