...併し自然には自分の弱い神經を痛ましめて迄も勞つてやらなければならぬ程の脆さがない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...脆いか脆くないか...
梅崎春生 「狂い凧」
...その中で新教(プロテスタント)の神様は質素(じみ)で倹約で加之(おまけ)に涙脆(なみだもろ)いので婦人(をんな)には愛される方(ほう)だが...
薄田泣菫 「茶話」
...しかも頭の両端の複眼の突出と胸部との関係が脆弱(ぜいじゃく)でなく...
高村光太郎 「蝉の美と造型」
...新大納言が隱謀脆(もろ)くも敗れて...
高山樗牛 「瀧口入道」
...そのひた向きな感情の裏には一と入(しお)脆(もろ)い弱気が心の根を喰(く)っていて...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...あまりといえばこれは脆(もろ)い話であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...人一倍涙脆(もろ)くて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その把握力が極めて脆弱(ぜいじゃく)なものでなかったろうか...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...うすく脆(もろ)い和紙は...
火野葦平 「花と龍」
...いつでも睡眠不足なやうな青んぶくれで脆弱さうだつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...涙脆(もろ)く、金銭にしまりのない、お調子に乗りやすい性質を多分にうけついだ自分は、まぎれもなく母方の血を引いているので、子供の時からこの祖母のごひいきだった...
水上滝太郎 「大人の眼と子供の眼」
...人のいのちの脆(もろ)さがはかられませぬ...
室生犀星 「玉章」
...あらいざらい弱さ脆さを吐きだしてしまったあとの...
山本周五郎 「日本婦道記」
...陣全体の性格と強靱(きょうじん)かまた脆弱(ぜいじゃく)かのけじめが決まる...
吉川英治 「上杉謙信」
...――もう散り際にある脆(もろ)い梅花(うめ)は...
吉川英治 「剣難女難」
...清盛が女性(にょしょう)に脆(もろ)い人であることも...
吉川英治 「源頼朝」
...脆(もろ)くも老(おい)の肩骨にふるわせて...
吉川英治 「夕顔の門」
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