...おっさんの指は棒から脆(もろ)くも外(はず)れ...
梅崎春生 「蜆」
...人間というものは瀬戸物づくりの人形よりも脆(もろ)いものであった...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...元来脆(もろ)いこの壷の口の処が少しばかり欠けてしまった...
寺田寅彦 「ある日の経験」
...脆(もろ)いもので...
寺田寅彦 「鴫つき」
...内気でそして涙脆(もろ)く...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...脆(もろ)くも名古屋城下へ拘引されて来た道庵主従...
中里介山 「大菩薩峠」
...わが命もしかく脆きを...
夏目漱石 「薤露行」
...たちまち脆(もろ)く倒れる...
新渡戸稲造 「自警録」
...これは黒曜石などを火にくべて脆くしたのを...
濱田耕作 「石鏃の思出話」
...束(つか)の間(ま)の盛りを見せる脆(もろ)い花といった...
久生十蘭 「蝶の絵」
...質厚く極めて柔軟で稍(やや)脆(もろ)く...
牧野富太郎 「植物記」
...それはいずれも分別の脆(もろ)さを知らせようとする親切な教えである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...情に脆(もろ)いことを...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...正義に脆(もろ)くて軽佻だよ...
横光利一 「上海」
...脆い石の肌がぼろぼろ首筋へこぼれ落ちた...
横光利一 「旅愁」
...そんな脆(もろ)いものじゃない...
吉川英治 「新書太閤記」
...脆(もろ)いねエ……もう薬が廻ったのかい」「な……なんだと」無理に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...大砲の前には脆く壊えた...
和辻哲郎 「鎖国」
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