...鯨の腐つた脂肪などがその常食になつてゐる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...彼は自分の親指と人差指がいつもよりも大層脂漲(あぶらぎ)って変な感じがした...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...金田医師は手馴れた調子で屍体をアルコールで拭ったり脱脂綿を詰めたりして一と通りの処置をした...
海野十三 「三人の双生児」
...少し脂(あぶら)っこい物は自分が食べるよりも大半鈴に遣(や)ってしまう...
谷崎潤一郎 「細雪」
...小さいながら脂(あぶら)ぎった顔に...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...額の脂で手が辷りさうなので直ぐにそれはこめかみに当て換へられた...
中原中也 「医者と赤ン坊」
...ごぼごぼ音がしてまるで脂(やに)を呑むような心持がした...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...東野南次の筆も脂が乗ってきました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...脂粉の匂いにひたって...
野村胡堂 「十字架観音」
...夜鷹(よたか)か何かの一番丈夫で脂臭(あぶらくさ)くて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...三百頭の牛の脂をもらいました...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...死体は鯨の脂肪肉(あぶらみ)かアルコール漬の胎児の標本かというような白けた冴えぬ色をし...
久生十蘭 「湖畔」
...脂(あぶら)ッ濃(こ)さを見せた全裸に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...つひに大に山門に脂下(やにさが)る」といふ句は妙なり...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...貝原篤信先生は、ちと鼠から咬まされた物か、猫を至って不仁な獣と貶(けな)し、鼠は肉、肝、胆、外腎、脂、脳、頭、目、脊骨、足、尾、皮、糞皆能あり用うべし...
南方熊楠 「十二支考」
...血の脂で少しギチギチする大刀を抜いてあらため...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...脂肪は緑青毒の禁物なり...
村井弦斎 「食道楽」
...脂肪(しぼう)に富んだ皮膚は生地(きじ)から色白な質だった...
吉川英治 「新書太閤記」
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