...胸先を張って自信をもって挨拶する...
...彼女は胸先を張り、自分の主張を伝えた...
...彼の胸先には大きな勲章が輝いていた...
...胸先を押さえながら、深呼吸することで落ち着いた...
...警官は胸先にバッジをつけていた...
...また不快な気持ちが胸先にこみ上げて来るのを葉子は強く押し静めて事もなげに振る舞おうとした...
有島武郎 「或る女」
...胸先(むなさき)に乳(ちゝ)をおさへた美女(たをやめ)の蕊(しべ)かと見(み)える……下〆(したじめ)のほのめく中(なか)に...
泉鏡太郎 「艶書」
...苦痛(くつう)の記憶(きおく)をことごとく胸先(むなさき)に呼(よ)びおこして...
伊藤左千夫 「告げ人」
...胸先がちくちく痛むようなことがないでもなかったが...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...昨夜のやうに胸先に垂れさがつてゐる幕のやうな物の圧迫もなかつた...
田中貢太郎 「牡蠣船」
...例の癇癖(かんぺき)のむらむらと胸先(むなさき)にこみあげて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...なお妙に胸先(むなさき)に込みあげて来るものを...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...つよく胸先(むなさき)へさし込(こ)みまして...
樋口一葉 「われから」
...胸先の桜結びの双つの房が...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...あとから/\矢つぎばやに胸先を襲つて來る稻妻のやうなものに射られて震えが込みあげて來るのであつた...
牧野信一 「痴日」
...胸先を握って、拳(こぶし)をつくり、空間に腕を突き出しては拳を開くのであった...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...私達のローラを――さう云つて滝本の胸先に突きつけたので...
牧野信一 「南風譜」
...私は小鳥の箱を胸先きに構へて...
牧野信一 「日本橋」
...そして、胸先が、擽つたいやうな、変に悲しいやうな、薄ら甘い涙みたいな感じで、一杯だつた...
牧野信一 「陽に酔つた風景」
...左うおもふだけで胸先がうづき...
牧野信一 「夜見の巻」
...胸先へコミ上げて来るのをグッと嚥(の)み下した...
夢野久作 「冥土行進曲」
...傷だらけになった魂にも、これだけは確(しか)とつかんでいたつもりだったものも、自分だけで作っていた幻像に過ぎなかったことを、ふと覚(さと)ると、胸先へ、血のかたまりのようなものがこみ上げて来て、しゅくっ……と唇や鼻から突き出る嗚咽(おえつ)を、両手でおおって、肩をふるわせた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...鋒先(ほこさき)を胸先に感じさせられた...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??