...小説の堕落が胚胎(はいたい)していたという説を耳にした事がありますが...
太宰治 「芸術ぎらい」
...またその上に数限りもない未知の問題の胚芽(はいが)が必ず含まれているのである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...不幸にして科学の中等教科書は往々にしてそれ自身の本来の目的を裏切って被教育者の中に芽ばえつつある科学者の胚芽(はいが)を殺す場合がありはしないかと思われる...
寺田寅彦 「化け物の進化」
...畢竟(ひっきょう)時に関する従来の考えの曖昧(あいまい)さに胚胎(はいたい)しているのではないかと考えられる...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...知識階級の夫人連が皆胚芽米を採用されるというので...
中谷宇吉郎 「兎の耳」
...胚芽米はまあ腹を素通りしたことになるのでしょうね」とすましている...
中谷宇吉郎 「兎の耳」
...どうも「陸軍が胚芽米の提灯持ちをしているような誤った説をしばしば聞かされるので困る」というのである...
中谷宇吉郎 「兎の耳」
...第三段になって正式にあらわれるのはすでに前から胚胎(はいたい)しておったものであります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...夫婦の徳心に胚胎(はいたい)するものといわざるを得ず...
福沢諭吉 「日本男子論」
...その私徳の元素は夫婦の間に胚胎(はいたい)すること明々白々...
福沢諭吉 「日本男子論」
...我が邦人はどうしてこれを間違え Ovule を胚珠としたのかというと...
牧野富太郎 「植物記」
...すなわちOvule 卵子(胚珠は誤称)Nucellus 胚珠(今日珠心というもの)卵子の語は Oospore の場合に用いられている事があるがこれは前々からの訳語で無いからこれを取消しそれを卵胞子とすれば宜しい...
牧野富太郎 「植物記」
...そこでもしも Nucellus を胚珠とするときはそれなら Ovule を何とするかという問題にブッツカル...
牧野富太郎 「植物記」
...Nucellus に胚珠を用いる...
牧野富太郎 「植物記」
...俺は何等の目的も無く妾(めかけ)の腹に胚(やど)ツた子なんだからな...
三島霜川 「平民の娘」
...思惟は萎えてただ只管(ひたすら)のアンティシペーションが内へ 内へ肉芽を養う胚乳の溶解のように融け入るのだ...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...すでに十八世紀が胚胎しているように思う...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...胚子(たね)付けしたのですから――もともとそれを刈入れるのは...
吉川英治 「平の将門」
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