...しかし生物の胚子の場合に陶工の手の役目をつとめるものが何であるかはいかなる生物学者にもまだよくはわからないようである...
寺田寅彦 「空想日録」
...そうして同一物質の原子の中にある或(あ)る「個性」の胚子(はいし)を認めんとしているものもある...
寺田寅彦 「春六題」
...畢竟(ひっきょう)時に関する従来の考えの曖昧(あいまい)さに胚胎(はいたい)しているのではないかと考えられる...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...胚芽がちっとも破れていませんね...
中谷宇吉郎 「兎の耳」
...初めから全国民が胚芽米や半搗米になっておれば何でもないことだという議論も出るかも知れない...
中谷宇吉郎 「兎の耳」
...『参同契』の前身または胚芽と思われるものは...
中谷宇吉郎 「古代東洋への郷愁」
...實にこの時代的の趣味から胚胎された...
萩原朔太郎 「青猫」
...そしてその表皮の下には薄い白肉層があって中心に円い一種子状胚乳を含んでいるに過ぎない...
牧野富太郎 「植物記」
...そして実はそれ Ovule の中心体を成している Nucellus(今の人はこれを珠心といっているがすなわちこの珠心が真の胚珠である)の訳語であったのである...
牧野富太郎 「植物記」
...その結果 Ovule を胚珠と為して...
牧野富太郎 「植物記」
...すなわちOvule 卵子(胚珠は誤称)Nucellus 胚珠(今日珠心というもの)卵子の語は Oospore の場合に用いられている事があるがこれは前々からの訳語で無いからこれを取消しそれを卵胞子とすれば宜しい...
牧野富太郎 「植物記」
...あるいはこれらの句より胚胎(はいたい)し来たれるにはあらざるか...
正岡子規 「俳人蕪村」
...俺は何等の目的も無く妾(めかけ)の腹に胚(やど)ツた子なんだからな...
三島霜川 「平民の娘」
...九月中には、胚胎を訂正し、次の月には、何か一つ出来たら書き、若し出来兼ねたら、鈍色の夢をも一度見なおさねばならない...
宮本百合子 「偶感」
...胚芽米、玄米のことは普通には出来ません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...蒔(ま)いておいた胚子(たね)も多い...
吉川英治 「私本太平記」
...茶の木の胚子(たね)は...
吉川英治 「親鸞」
...千人に頒(わ)けてやる気か」「一人に菩提(ぼだい)の胚子(たね)をおろせば...
吉川英治 「宮本武蔵」
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