...背負うた千草の中に...
石川啄木 「天鵞絨」
...或は田中君は鉱毒問題を一身に背負う覚悟じゃないのか...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...「黒犬を背負う」は「不機嫌である」...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...琵琶を背負うて京上りをするめくら法師になり変ったのであると云う...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...鹿の角を澤山背負うて來る男に會うた...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...母が、葱(ねぎ)と、大根との風呂敷包をもって、私が、弟を負うたり、その反対だったり――それから、それが、だんだん慣れてくると、私が一人で買出しに行ったり、弟を背負うて、母を連れずに行ったり――思春期前の少年だから、平気で「この頭おくれ」と、出汁にする鰻の頭を一皿買ったり、牛肉屋が顔馴染になったので「味噌まけといてや」と味噌を、余分に入れさせたり――そして、多分、私が弟を背負って、そうして、大抵毎日買って歩いているのが商人達に、記憶されたらしく、それから又、憐れまれたらしく――私等兄弟より外に十歳位で、そんな所へ、惣菜(そうざい)を買いに行く奴はいなかったらしく「まけといたるで」と、鰻屋が、八幡巻(やわたまき)を一本添えてくれた事があるし、牛肉屋が「葱もおまけや」と、添え物の葱を一つかみくれた事もあった...
直木三十五 「死までを語る」
...血潮と共に脈動する機械のリズムを感ずる彼ははつらつたる工場の諧調を背負うて...
槇村浩 「大江満雄に」
...けだしその本隊は牝猴と事馴れぬ牡と少弱輩より成り、母は児を背負う、先達猴の威容堂々と進むに打って変り、本隊の猴ども不規律甚だしく、千鳥足で囀(さえず)り散らし何の考えもなくただただ斥候の用心深きを憑(たの)んで行くものと見ゆ、若猴数疋果を採らんとて後(おく)るれば殿士来って追い進ましむ...
南方熊楠 「十二支考」
...その時一人の寺男が背負う網袋に目が止った...
柳宗悦 「全羅紀行」
...その地方の誰でもが背負うものでありますが...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...背負うのに丁度よい大きさに作られます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...とても宣伝費を背負う力が無く...
柳田国男 「予が出版事業」
...これまでにも登が薬籠を背負うことは珍らしくなかったし...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...初めっから自分で背負うほうがましです」だから自分は亭主は持たない...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...分割して背負うのだが...
山本周五郎 「季節のない街」
...そのころ大きな段々重ねの桐の箱を背負うて...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...自分の背丈の二倍もある高さの草束を背負う姿は青草の底から顔を出した家畜に似ている...
横光利一 「夜の靴」
...玉王を背負うて磯の若布を拾いに出たが...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??