...明日(あした)の出し物は妹背山(いもせやま)だそうだから...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...これとお経の読みかたとを習うために惜しいところで妹背山(いもせやま)の芝居を切り上げて...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...その二妹背山(いもせやま)津村は何日に大阪を立って...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...左の方のが妹山、右の方のが背山、―――」と、その時案内の車夫は、橋の欄干(らんかん)から川上の方を指(ゆび)さして、旅客の(つえ)をとどめさせる...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...歌舞伎(かぶき)の舞台では大判事清澄の息子久我之助(こがのすけ)と、その許嫁(いいなずけ)の雛鳥(ひなどり)とか云った乙女(おとめ)とが、一方は背山に、一方は妹山に、谷に臨(のぞ)んだ高楼(たかどの)を構えて住んでいる...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...あれがその妹背山か」と思い...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...いつも川下から眺めてばかりいた妹背山のある方へ取った...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...―――妹背山(いもせやま)婦女庭訓(おんなていきん)の作者は...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...背山の方は、尾根(おね)がうしろの峰につづいて、形が整っていないけれども、妹山の方は全く独立(どくりつ)した一つの円錐状(えんすいじょう)の丘が、こんもりと緑葉樹の衣(ころも)を着ている...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...「妹背山(いもせやま)」の鱶七(ふかしち)が長裃を着けるのと...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...この縁談は纒(まと)まりさうもなかつたんですつて」「まるで妹背山(いもせやま)だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...坪内先生の「妹背山」の試演がその式で紅葉館で催されたことはあるが...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...舞臺は妹背山の菊五郎のお三輪があどけない姿で踊りをおどつてゐる...
林芙美子 「秋果」
...妹背山(いもせやま)の漁師鱶七のように横柄に着膨れて谷川に沿った一本道を歩いて行ったが...
久生十蘭 「生霊」
...踰(こ)えれば先は妹背山(いもせやま)...
二葉亭四迷 「浮雲」
...急にちかぢかと見えだした鹿背山(かせやま)などに向っていると...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...千早、赤坂のほか、国見、猫背山、金胎寺(こんたいじ)などの峰々でも、同時の砦(とりで)工事が急がれていたのである...
吉川英治 「私本太平記」
...「遠くの陣ばかりか、近くの木見、猫背山、多聞寺(たもんじ)下の敵兵なども、あわてふためいて、なだれ退(さ)がって行きまする...
吉川英治 「私本太平記」
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