...葡萄の實の熟する頃...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...これから生れるとしてもそれが成長し熟するまでにはすくなくとも百年くらいかかるだろうから...
伊丹万作 「一つの世界」
...それが熟する頃になると...
薄田泣菫 「独楽園」
...古俳句を習熟する必要があるのであります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...理性が自分自身成熟する自由を持っているに拘らず...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...日頃の用心もそのかいなく鳥啼(な)き花落ちる頃に及んでかえって流行感冒にかかりつづいて雨の多かったためか新竹伸びて枇杷(びわ)熟する頃まで湯たんぽに腹あたためぬ日とてはなく食事の前後数うれば日に都合六回水薬粉薬取交(とりま)ぜて服用する煩(わずら)わしさ...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...人家の牆(かき)に果實の熟するを見れば必石を投じ花の開くを見れば直にその枝を折らんとし...
永井荷風 「十年振」
...一年中の最も陽性を受けた豊潤な時を領分として成熟する...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...機縁が熟すと云う意味は...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...赤い実が熟する頃は帰って来るのだろう...
林芙美子 「清貧の書」
...優游(ゆうゆう)として時機の熟するを竢(ま)っていた...
二葉亭四迷 「浮雲」
...この実は熟すると早くも枝から落ちてしまう...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...右の子房が熟すると...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...秋になって熟すれば褐色と成り...
牧野富太郎 「植物記」
...却って益ひろく瑞々しいマターナルなものに成熟することは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
......
三好達治 「艸千里」
...麦の熟する前に来てヒュヒュヒュカチカチカチと啼くと説明している...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...熟すべきものが彼の内部において熟し始めたんだろう...
山本周五郎 「陽気な客」
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