...そこで後(うしろ)から背のびをして覗(のぞ)いて見ると...
芥川龍之介 「饒舌」
...(中略)どうしても、こうしても、土蔵の外へ出ることは出来ないと、思ってしまいましたら、悲しくて、悲しくて、暫くの間は、私は毎日毎日、背のびをして、窓の外ばかり見て居りました...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...ときどき背のびをして...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...何度めかに背のびをしたときでした...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...」一本足の兵たいは、じぶんのお家(うち)になつてゐる、もと巻煙草(まきたばこ)のはいつてゐた箱の後(うしろ)に立つて、背のびをして、その女の踊を見てゐました...
鈴木三重吉 「一本足の兵隊」
...俺は慷堂を真似た背のびした口調で言った...
高見順 「いやな感じ」
...背のびをしました...
竹久夢二 「玩具の汽缶車」
...一人は体を起して両手を端(さき)さがりにうんと拡(ひろ)げながら背のびをした...
田中貢太郎 「岩魚の怪」
...背のびをして板木(ばんぎ)をたたいていた...
壺井栄 「二十四の瞳」
...すっと背のびをして...
豊島与志雄 「田舎者」
...あわててくしゃみを食い殺して背のびをしたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...いちように背のびする...
中村地平 「南方郵信」
...だが……オーイ オーイ寒冷な風の吹く荒神山の上で呼んでゐる波のやうに元気な叫喚に耳をそばだてよ!可哀想な女房や子供達があんなにも背のびして空高く空高く呼んでゐるではないか!遠い潮鳴りの音を聞いたか!波の怒号するを聞いたか!…………山の上の枯木の下に枯木と一緒に双手を振つてゐる女房子供の目の底には火の粉のやうにつゝ走つて行く赤い帆がいつまでも写つてゐたよ...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...そして背のびをするようにして云った...
本庄陸男 「石狩川」
...そうして背のびをしながら花をおろしてそれからどうするだろう...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...友よ お前は二十歳ひととき朔北の風よりも疾くお前の額を貫ぬいて行つたものについてはもう考へまいわたしは聞いた大きな秩序のなかにただ はげしい意欲を お前の軍靴の音をわたしの力いつぱいの背のびではとどかない流れよ幅広い苦悩のうねりよ友よ二十歳の掌のなかで燃えたものよ...
森川義信 「(上等兵安藤孝雄を憶ふ)」
...城太郎は背のびをして...
吉川英治 「宮本武蔵」
...野末の果てから背のびをした密雲が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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