...何卒泥烏須如来に背き奉り候私心苦しさを御汲み分け下され...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...背きがち、首(うな)だれがちに差向ったより炉の灰にうつくしい面影が立って、その淡(うす)い桔梗の無地の半襟、お納戸縦縞(たてじま)の袷(あわせ)の薄色なのに、黒繻珍(くろしゅちん)に朱、藍(あい)、群青(ぐんじょう)、白群(びゃくぐん)で、光琳(こうりん)模様に錦葉(もみじ)を織った...
泉鏡花 「薄紅梅」
...近く枝頭の春に背きて...
井上円了 「おばけの正体」
...またわたくしの父大國主の命の言葉に背きますまい...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...男神の女神の言に背きて...
高木敏雄 「比較神話学」
...浮名を唄はるゝまでにも無き人の、さりとては無情(つれな)き仕打、會へば背き、言へば答へぬ意地惡るは、友達と思はずば口を利(き)くも要らぬ事と、少し癪にさはりて、摺れ違うても物言はぬ中はホンの表面(うはべ)のいさゝ川、底の流は人知れず湧き立つまでの胸の思を、忘るゝとには無きふた月、三月(みつき)...
高山樗牛 「一葉女史の「たけくらべ」を讀みて」
...その後で、帷(とばり)をおろし、燈に背き、琴瑟(きんひつ)已(すで)に尽きたところで、が啼いて夜明けを知らせた...
田中貢太郎 「豕」
...もしこの語を用いることによって史学の本質に背き歴史研究の学問的方法に背くような考えかたが流行するようにでもなるならば...
津田左右吉 「日本歴史の研究に於ける科学的態度」
...曾て侯に服從したるものまでも遽かに侯に背き去れるを見たりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...反つて自家の本領に背きて...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...正当な国王に背(そむ)き、背き、背いた奴らは皆謀反人(むほんにん)だ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...己れの本心に背き...
新渡戸稲造 「自警録」
...國家に背きて清衡に從つた者であるとて...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...私はいつ貴方に背きました...
平出修 「計畫」
...若し女の道に背き...
福沢諭吉 「女大学評論」
...世を挙げて漢方に背き蘭方に向はしむるは危険だと思惟し...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...綱浄は独り五行配当の物理に背き...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...宗教擁護のためにその君主に背き...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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