...これらの人の言の全部が必ずしも肯綮に当るとはいわないがある程度までは必ず傾聴すべき滋味がある...
伊丹万作 「「ファン」について」
...そしてエリパズら三友の言辞の肯綮(こうけい)に当らずかつその同情の不足せるは...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...悉(ことごと)く肯綮(こうけい)に当るばかりでなく...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...僕らの弥次は大抵その肯綮(こうけい)に当っていた...
大杉栄 「新秩序の創造」
...また昔日の考察も今日の日本の状況に照して多少肯綮(こうけい)を得る点なきにしもあらざると思って掲載するのである...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...頗る肯綮に中つてゐるものがある(三)...
内藤湖南 「尚書稽疑」
...私はその一々肯綮に当る先生の手法を熟読玩味して...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...四方太(よもた)の諸君は折々この点に向って肯綮(こうけい)にあたる議論をされるようであるが...
夏目漱石 「写生文」
...実に肯綮(こうけい)に中(あた)った剴切(がいせつ)なお考えで私は徹頭徹尾(てっとうてつび)賛成致します...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...これが果して肯綮(こうけい)にあたった想像であろうか...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...それに次いで誠に肯綮にあたる卓見が述べられてあったが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...肯綮(こうけい)にあたっていることばかりでした...
正岡容 「初看板」
...その簡単な批評がまたよく肯綮(こうけい)に当っていた...
三木清 「西田先生のことども」
...先生の批評が常に肯綮(こうけい)に中(あた)っていたからであろう...
武者金吉 「地震なまず」
...しかしすることはいつも肯綮(こうけい)にあたっていて...
森鴎外 「阿部一族」
...久しく東洋の研究に興味を有(も)つて居る翁が我(わが)浮世絵の作家の名を幾人もすらすらと列挙して「自分は春信をより多く好む」などと肯綮(こうけい)に中(あた)つた批評をせられたのは意外であつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...大いに曹操の肯綮(こうけい)にあたったらしい...
吉川英治 「三国志」
...老将の見解にはおのずから肯綮(こうけい)に値するところが多い...
吉川英治 「新書太閤記」
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