...此の幻しの中に土地を肥やす雨が溜まつてゐるのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...地上のものに生気を与へて肥やす...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...文人は常に頭脳を肥やす滋養代に中々資本が要る...
内田魯庵 「駆逐されんとする文人」
...資本家の懐を肥やすがために...
大隈重信 「世界平和の趨勢」
...――秋はこんなやくざな小魚を養ひ肥やすことをも忘れないのだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...それを肥やすだけである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...専(もっぱ)らボリスの胃袋を肥やす結果に終ったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そこの蓮根(れんこん)を肥やすのだと云うゴシップは...
寺田寅彦 「病院風景」
...それが抑圧に抗しながらやっと土着するころにはいつのまにかすっかり消化され日本化されてしまって結局はみんな大日本を肥やす肥料になっていた...
寺田寅彦 「北氷洋の氷の割れる音」
...ついに近傍の腕力国の腹を肥やすの食物となれり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...主家の収入をぬすみてわがふところを肥やす気づかいなきがこの男の取り柄と...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...草鞋の緒きれてよりこむ薄かな末枯や覚束なくも女郎花熱海に着きたる頃はいたく疲れて飢に逼(せま)りけれども層楼高閣の俗境はわが腹を肥やすべきの処にあらざればここをも走り過ぎて江(え)の浦(うら)へと志し行く...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...私の継母は既に長年の間内証の貯金を肥やすことにのみ努めてゐることは親類中に知れてゐた...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...国財を靡(び)し私腹を肥やすものとした...
森鴎外 「渋江抽斎」
...力のある者の腹を肥やすだけだ」「約束の理由さえわかれば打つ手もあるにちがいない」と去定はまた云った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...増し御合力は一部重臣の私腹を肥やすものだと...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...不良少年少女の根を肥やすための大堆肥場である...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...肥やすか知れない...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
便利!手書き漢字入力検索