...東京(トンキン)から持つて来た罌粟(けし)の種子を死骸で肥えた墓地に植ゑて見ると思ひの外に成績がよくてその特徴を発揮させることが出来た...
芥川龍之介 「鴉片」
...よく肥えた最上の肉を納入せよと鳥屋に命じるだけであって...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...庭の中にて牛の股肥えたる肉を雷霆のヂュウスのために燒き炙り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...武男はでっぷりと肥えたれどさすがに争われぬ年波の寄る母の額を仰ぎ「私(わたくし)は始終外(ほか)にいますし...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...ウィリアムの乗り馴(な)れた栗毛(くりげ)の馬は少しく肥えた様に見えた...
夏目漱石 「幻影の盾」
...お前を許すことならん」ずんぐりと肥えた...
火野葦平 「花と龍」
...その店の前に腰掛けて居る三十余りのふっくりと肥えた愛嬌の女が胸を一ぱいにあらわして子供に乳(ちち)を飲ませて居る...
正岡子規 「車上の春光」
...その音声その語調は牛頭馬頭(ごずめず)の鬼どもが餓鬼を叱るもかくやらんとばかりに思はれてなかなかに前の肥えたる曹長をやさしく覚(お)ぼえ初めぬ...
正岡子規 「従軍紀事」
...またはむしろ施肥に堪えないほど肥えた...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
......
室生犀星 「星より來れる者」
...濁った水を飲んでいた男が台州に来て中央支那の肥えた土を踏み...
森鴎外 「寒山拾得」
...小松は少し肥えたようで...
山本周五郎 「菊屋敷」
...五十二三になる肥えた体つきで...
山本周五郎 「契りきぬ」
...「肥えた丈夫そうな若君だ」と伊与二郎は帰って来て云った...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
...でっぷりと肥えた皮膚の下に...
横光利一 「夜の靴」
...ふツくら肥えた體躯の持主に挑みかゝつたが...
吉川英治 「折々の記」
...その憂(うれ)いなき栄養に肥えた紅顔は魚のごとく溌剌(はつらつ)とし...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...私の覚えているところでは血色のいい丸々と肥えたものであったが...
魯迅 佐藤春夫訳 「故郷」
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