...逞(たく)ましげに肥えたる農夫なるが...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...大概その弾力性に富んだ肥えた紳士が...
魯迅 井上紅梅訳 「村芝居」
...デップリと肥えた血色のいい四十恰好の身体に快活な笑みを泛(うか)べ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...肌理(きめ)の粗い黒く醜く肥えた仙吉の顔の筋肉は...
谷崎潤一郎 「少年」
...庭の中にて牛の股肥えたる肉を雷霆のヂュウスのために燒き炙り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...そして、両親のおもな注意は、人間として恥かしからぬ活動に適するように子供を教育することでなく、出来るだけ子供にうまいものを食わせ、背丈を大きくして、きれいな、色の白い、ほどよく肥えた、美しい子供にしよう、という点にのみ向けられている...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...ウィリアムの乗り馴(な)れた栗毛(くりげ)の馬は少しく肥えた様に見えた...
夏目漱石 「幻影の盾」
...中世僧侶欧州に充満し怠惰して大食ばかりしたから僧ほど肥えたちゅう諺あり...
南方熊楠 「十二支考」
...豕も遊佚(ゆういつ)大食する故豕ほど肥えたという...
南方熊楠 「十二支考」
...こんもりと太く肥えた三ツ葉がしげっていた...
室生犀星 「幼年時代」
...肥えた牧場になっている高地も...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...その小さく肥えた肉躰は...
山本周五郎 「青べか物語」
...少し肥えたうえに髪の形も違って...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...肥えた若者が喚いた...
山本周五郎 「花も刀も」
...老人は肥えた大きな躯(からだ)であった...
山本周五郎 「半之助祝言」
...豚のごとく肥えた老主人が...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...その憂(うれ)いなき栄養に肥えた紅顔は魚のごとく溌剌(はつらつ)とし...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...土肥は、どこへ行ったのか」虚勢を抜いて、彼らが、気のついたころには、土肥庄次郎は、その肥えた体を、鈍々(どんどん)と足早にすすめて、健吉とよぶ侍の後を追っていた...
吉川英治 「松のや露八」
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