...時々肢で蚊を追ふために頸輪を打つ音だといふことがはじめて判つた...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...そして真中の肢の先きでその小さな球は離してそれを底の方に衝き込む...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...その肢体(したい)を...
高見順 「如何なる星の下に」
...汗ばんだ四肢をこっそり洗っていると...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...感染せる肢体(したい)を切除するような...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...折れ曲ってる四肢...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...全く同じ四肢(よつあし)動物ではありながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼等は虎の四肢を二本ずつ縛り上げ...
中島敦 「虎狩」
...ぐったりとした四肢(しし)の疲れのように田舎路は仄暗(ほのぐら)くなってゆくのだが...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...後肢には偃月刀(えんげつとう)のような鋭い爪があった...
久生十蘭 「地底獣国」
...白粉刷毛のようなちっちゃな前肢(まえあし)...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...繊細に波動する四肢...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...少しも腐蝕する事なき四肢(しし)を形ちよくそろへた老婆の屍体は...
松永延造 「アリア人の孤独」
...されば過去世のピゾノモルファ(擬蟒蛇(うわばみもどき))など体長きこと蟒蛇に逼(せま)りながら確かに肢を具えていた...
南方熊楠 「十二支考」
...彼女の肢體の一つづつが...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...四肢の不自然な醜さと奇形とについて語っているのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そして生命を失い肢をさらわれる危険が常にあつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...典膳の四肢(し)は...
吉川英治 「剣の四君子」
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