...春とは云ふものゝ何となく肌寒い気が致します...
芥川龍之介 「地獄変」
...春とは云ふものゝ何となく肌寒い氣が致します...
芥川龍之介 「地獄變」
...相変らず肌寒い水を漫々(まんまん)と湛(たた)えて...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...有明月の肌寒い光が身にも心にも沁み入って...
種田山頭火 「草と虫とそして」
...明けるより小鳥の挨拶でよいお天気で・残された二つ三つが熟柿となる雲のゆきき・時計を米にかへもう冬めくみちすぢ―(こんな句もある)―ま夜中ふと覚めてかきをきかきなほす十一月十七日晴、曇、肌寒い...
種田山頭火 「其中日記」
...あけはなつて浴衣では肌寒いほどだつた...
種田山頭火 「其中日記」
...肌寒い日である、ああ一杯やりたいなあ!もう一週間あまり一滴も注入しないのだから無理もありますまい!門外不出、黙々として終日机辺を離れなかつた...
種田山頭火 「松山日記」
...もう肌寒い初秋の夜気だった...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...松井は急に肌寒い思いをしながら...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...吉村は肌寒い思いがした...
豊島与志雄 「鳶と柿と鶏」
...吹きすさむ梅雨晴の夜風は肌寒いほど冷(ひややか)である...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...初秋の肌寒い風が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼女は肌寒い暗闇の中から...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...見ただけで肌寒いものを感じた...
本庄陸男 「石狩川」
...寛(くつろ)げた衿(えり)からふところへやや肌寒い風がはいったためらしい...
山本周五郎 「似而非物語」
...肌寒いような冷気にふと眼がさめる...
吉川英治 「剣難女難」
...まだ肌寒い風に吹き送られ乍(なが)ら...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...肌寒い風は水面を静に渡ってゆく...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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