...しかしとにもかくにも肉情の興奮の結果が顔に妖凄(ようせい)な精神美を付け加えているのは不思議だった...
有島武郎 「或る女」
...斯くの如き人は又不道徳なる肉情が存するが如く不道徳なる禁慾主義が存するといふことを知つてゐる...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...又肉情的本能は陥穽でもあり...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...お互いに肉情的な泥(どろ)仕合いに爛(ただ)れているのであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...併し双方共に自然主義といふ者を背徳亂倫の辯護者と見肉情の挑發を以て目的として居る事と見る点に於て一致して居る...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...男の強大な主我主義と肉情によって...
宮本百合子 「アンネット」
...はげしい肉情のまとになって見えてくるのであった...
室生犀星 「香爐を盗む」
...市村はさういふかんさんには肉情の攻め手があるのか...
室生犀星 「渚」
...自分の肉情に愛想が盡き亂次のないことで...
室生犀星 「渚」
...その刑部様の強靭(きょうじん)な肉情から飽かれない限り...
吉川英治 「大岡越前」
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