...)僕は夏目先生を愛するが故に先生と出版書肆を同じうせんことを希望す...
芥川龍之介 「遺書」
...私(わたし)は知人の田崎(たざき)に面会する為に彼が勤めてゐる出版書肆(しよし)の狭い応接室の椅子(いす)に倚(よ)つてゐた...
芥川龍之介 「塵労」
...発行書肆(しょし)は東京春陽堂(しゅんようどう)である)作者はその短篇の中に意気地(いくじ)のないお姫様(ひめさま)を罵(ののし)っているの...
芥川龍之介 「文放古」
...書肆(ほんや)へ前借(さきがり)に行(ゆ)く途中(とちう)ででもあつて見(み)たが可(い)い...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...「書肆某来りて四方山(よもやま)の物語をす...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...後ち國光社は、教科書肆となり、印刷所となりしが、西氏は轉じて、帝國高等女學校を創めて、今日に至れり...
大町桂月 「小日向臺」
...書肆(ほんや)は食べ残りの丸薬をいきなり毛むくじやらの口へ押し込んだかも知れない...
薄田泣菫 「茶話」
...これではとても遣切(やりき)れないといふので資本(もとで)の手薄な書肆(ほんや)はつい出版を絶念(あきら)めて了ふ...
薄田泣菫 「茶話」
...その縁側は肆の者が朝夕腰をかけて食事をする処であった...
田中貢太郎 「春心」
...茶肆ノ婢女冶装妖飾...
永井荷風 「上野」
...これより先(さき)生田葵山書肆(しょし)大学館と相知る...
永井荷風 「書かでもの記」
...倹約は吝嗇(りんしょく)に傾きやすく文華は淫肆(いんし)に陥りやすく尚武はとかくお釜(かま)をねらひたがるなり...
永井荷風 「猥褻独問答」
...書肆の予言は見事に的中して...
穂積陳重 「法窓夜話」
...されど資力なくしてはこの種の大事業を成就(じょうじゅ)し得ざるを以て彼は字書編纂(へんさん)の約束を以て一時書肆(しょし)冨山房(ふざんぼう)に入りしかど教科書の事務に忙殺せられて志を遂ぐる能はず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...そういう時には多く道理を以(もっ)て判断せずして感情を以て愛憎(あいぞう)を肆(ほしいまま)にします...
村井弦斎 「食道楽」
...大坂町に書肆を開いている子之助の姉婿(あねむこ)摂津国屋伊三郎を迎えて...
森鴎外 「細木香以」
...書肆も作者もまったく予想しない売れゆきで...
山本周五郎 「新潮記」
...書肆(しよし)から望まれるに其(それ)等の見聞記を集めて読み返して見ると...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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